猫脳髄

プロムナイトの猫脳髄のレビュー・感想・評価

プロムナイト(1980年製作の映画)
2.6
ハイスクールの卒業パーティー・プロムと言えば、北米では一大イベントらしく、おそらく”プロム・ホラー”というジャンルが成立するほど枚挙にいとまがない(※)。売れっ子ジェイミー・リー・カーティスが華麗なディスコ・ダンスを披露する本作は、後にシリーズ化するほどである(JLCの出演は第1作のみ)。

少女が転落死した事故にかかわった男女が、プロムの夜に何者かに復讐されるという実に単純なサスペンスなので描写が命になるが、まあ照明がダメだと作品全体が台無しになる見本のような作品。ずっと暗闇でゴソゴソしており、こちらも目を凝らすが何も見えない。低予算映画というわけでもなさそうだが、どうしてこうなった。

JLCは亡くなった少女の姉で、ハイスクールの校長(レスリー・ニールセン)令嬢。ボーイフレンドとともにプロムの主役に選ばれるが、実は主人公なのに脅威にさらされないという致命的な設定になってしまっている。待ってましたの殺人シーンもよりによってスローモーションを使うという失態を犯している。唯一、最後かつ最も派手な殺害シーンだけは照明いっぱいで盛り上がるが、そこまでである。96分中60数分まで事件らしい事件も起こらないのも耐え難い。

※おそらくブライアン・デ・パルマ「キャリー」(1976)が嚆矢か
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