エレベーターが人を襲う珍しいオランダ産ホラー。2000年代には今作を手掛けたディック・マース監督によってナオミ・ワッツ主演で「ダウン」というタイトルでリメイクされました。
盲目の男性の転落死や警備員の首切断はリメイク版にも有ったもので、ワイヤーが首に巻き付いたり、少女と戯れるかの如くエレベーターの扉が何度も開閉するといった所が印象的。派手な展開とそれに伴う犠牲者も多かったリメイク版と比べると随分地味な作風で主人公の技師が女性記者と調査を進めると家族に浮気を疑われ一悶着有ったりと蛇足的要素も有るのですが赤い扉やこの時代らしいシンセサイザーのBGMはエレベーターという閉塞的で無機質な空間を際立たせるのに一役買っており雰囲気はなかなか良いものを感じました。
エレベーターを調べるうちにライジングサンという日系企業が関わっていると分かるのですが、その企業に何故か中曽根元首相の写真が飾られているのが日本人として注目してしまいます。