かすとり体力

十三人の刺客のかすとり体力のレビュー・感想・評価

十三人の刺客(2010年製作の映画)
3.7
日本映画界に最強のヴィラン降臨・・・。

稲垣吾郎演じる松平斉韶。

映画全体として、名だたる役者陣が演じるキャラの強い男たちが揃ってチームを作り、知力と胆力をもって圧倒的なパワー差がある相手に立ち向かう、という激胸熱ストーリーなので、それはもう当然面白いんだけれども。

正直、五郎ちゃんが凄すぎてその印象すら霞むレベルです。極悪度で言うと、下手したら映画界トップレベルでは。

もうですな、五郎ちゃんが登場する全てのシーンにおいて、彼、我々の想像の遥か斜め上を行く行動をとるのよ。

なので、五郎ちゃんが画面に映る度、「こいつまじ何しでかすか分かんない・・・。今度何するんだろ・・・」っていう緊張で空気がぴーーっんと張り詰める。

そういう意味では「ノーカントリー」のシガーに近い存在感。
しかもシガーはメンタリティとしての気高さはあったけど、五郎ちゃんにはそれすらない。ひたすら最悪。下劣。極悪。

あと、稲垣吾郎本人がもともと持っている浮世離れした感じが、劇中人物の雰囲気と完全にシンクロしてるんだよな。奇跡やんか。

ということで、私にとって本作は「五郎ちゃんの映画」でした。
役所広司山田孝之伊勢谷友介沢村一樹古田新六角精児松方弘樹高岡蒼佑etc.etc.最強の布陣なのに、それを一人で凌駕されております。

あ、最後にお話について触れると、最後の闘い、火のついた牛とか退路を断つ動く壁とか、ああいうギミックに興奮した!
あれ系のやつ、言い換えると「知略を駆使した工夫」で敵の数をバンバン減らしていくような展開があると、もっとテンション上がったかな。

あー凄かった。
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