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十三人の刺客のPTKMWのネタバレレビュー・内容・結末

十三人の刺客(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画秘宝の10年代ベスト10にランクインしていたので観ました
高校時代に世界史選択だった事もあって普段から時代劇はほぼスルーしていて1963年のオリジナル版も観ていないのですが、いざ観てみたらめちゃくちゃ面白かった!
序盤でぼそぼそ喋る演技が続いて登場人物がこれでもかと出てきた時点でもう何言ってるか分からん!と思いかけたけどすぐに持ち直してグイグイ話にのめり込んでいった
斉韶(稲垣吾郎)が救いようがない悪役に徹しているので本筋に集中できたというのがポイントで、犬食い、達磨、「老中になったら戦国時代みたいにしたいな〜」という発言、全てが稲垣吾郎自身の底の見えなさも相まってドン引きの演出になってて良い
新左衛門(役所広司)に斬り捨てられる直前の「今日という日が今までで最も楽しかった」という斉韶の一言、京アニ放火事件のような現行法はおろか、私刑でも対処しきれない程の純粋すぎる悪との向き合い方を突きつけられたような気がした

これだけのキャストがいてそれぞれの役にしっかり印象的なシーンが割り振られていてなおかつ冗長になっていないのが凄い
「初恋」を観た時も思ったけど三池監督は登場人物が多ければ多いほど作品に勢いを付けることができる稀有な才能の持ち主なのかもしれない…
個人的には浪人で槍の名手の佐原平蔵(古田新太)が働きの代償として前金で200両要求することの覚悟に痺れた

観る回数を重ねれば重ねるほど推しのキャラクターが増えていくような作品で「戦わなければ、変わらない。命を燃やせ。」というキャッチコピー通りの時代性を超越した傑作でした
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