再鑑賞 2
2023/8/11
優雅な音楽と共に始まる不健康な男の習慣。
まさに男が綱渡りの人生を歩んでいることが一目で分かるオープニング。
男はボブ・フォッシー監督自身であり、本作は自伝的な作品。
自分の下半身に正直であるジョーの様に、全てをさらけ出す監督。
そんな本作はボブ・フォッシー版『8 1/2』と言っても過言ではない。
フェデリコ・フェリー二が「人生は祭りだ。共に生きよう。」と言うのなら、ボブ・フォッシーは「人生はミュージカルだ。共に踊ろう。」とでも言っているかの様。
演出に囚われ、自分自身をも演出し、破滅へと向かって行く男。
しかし彼にとって唯一の真実である"死"でさえも、歌と踊りで演じ切る。
自らをショーの一部として受け入れ、昇華するラストは忘れられない。