こぐまくん

ONCE ダブリンの街角でのこぐまくんのレビュー・感想・評価

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)
2.5
私のまわりの映画好きに、はじまりのうたの話をすると褒めて褒めてサイコー!と言った必ず最後の一言に”でも私(僕)はonceのが好きだけどね”と言われる。そんな本作を遅れ馳せながら鑑賞。

正直そうかな〜という感じ。もちろん、この荒削りさとかにぐっとくるのはわかるけど、何せ音楽があまりいいとは思えなかった。よくある私情べったりの独り善がりな曲というか。しかも本人、見るからに若くもないから青春感もなくて、結構ディープっていう。自分は音楽に関しては、ショーマン精神に溢れているもの、もしくは聞き手に思いっきりぶつけてくるものが好みなので。そういうアティチュードの部分も好みじゃなかったし、お!と思うフレーズもなかった。多分現実に有線でかかっててもなんとも思わない曲。そこはやっぱり”はじまりのうた”と比べちゃうからダメなんだけど。なんてったってアダムレヴィーンにシーローやから笑 でもせめて”なんか唯一無二っぽいぞ!”という個性もない…。

”お金の為に歌うの?”とかいう彼女の問いに対して”違う”と答える。そういうのを不健全なもののようにしながら、アーティストとして高みを目指す姿勢も感じられないし、過去の恋愛に傷ついた自分を慰めるだけの意味しか感じられない…。”はじまりのうた”は逆にビジネスな部分が絡むのがいいし、そういうものに対してのラストでの回答も泣ける。
この作品の主人公は自分のことにいっぱいいっぱい感がちょっと好きじゃなかった〜。精神的なことも音楽への向き合い方に対しても、もう大人なんだからさ〜って思っちゃう。加えて女の方は”楽しかった”以外の何を経てああいう感じにおさまったんだろう。

一個だけいいのは、主人公のお父さんが好きなことやってる息子を咎めもせず温かい目で見守ってるとこかなぁ〜。
というか、あの道でスカウトしたバンド仲間3人組のスピンオフの方がみたい。
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