「シング・ストリート」の予習のため遅まきながら鑑賞
「はじまりのうた」は鑑賞済
冒頭のハンディカメラと思える手振れや聞き取りにくいセリフに期待感が下がるも…
夜の街角での主人公の彼(グレン・ハンサード)の
弾き語りシーンでは
ボディに穴の空いたボロボロのタカミネのギターをかき鳴らし
サビで声を張った瞬間…
この人は歌上手いや…
と一気に引き込まれた
歌の上手い歌い手は弾き語りだけでも充分に感動的であるが
それにピアノとコーラス
更に他の楽器が重なると1楽器につき×2位良くなり
それを段階的に見せると共に楽器店の店員・銀行員・スタジオのスタッフ等との音楽が架け橋となる
出会いと人との繋がり
二人の恋愛感情も絡ませる上手いストーリー展開
主演二人が本物の歌手だけあって
抜群の歌唱力と音楽センスには
「はじまりのうた」のキーラ・ナイトレイが霞んで見える
主演二人の関係性は相手を意識しながらも一線を越えないのは「はじまりのうた」と同じなのだが
誠実さの表現なのか…
監督の信念なのか…
なぜ?とゲスな私は地団駄を踏むのですが
あの誠実さがエンディングの清々しい余韻に繋がると思うと納得
今作は特に
心境をセリフで語ると説明し過ぎってなってしまうところ
それを歌詞として歌い
それも素晴らしい歌唱力となると感じ方が全く異なり
ミュージカル作品的とも言えるがこの演出は合理的で解りやすい
90分という短さながらテンポよく上手くまとめ
音楽の素晴らしさを再認識させる監督の力量も素晴らしい
希望を持って旅立つ彼を応援したくなると共に
自分も少し頑張らなきゃと感じられる作品であった