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気まぐれな唇のayのレビュー・感想・評価

気まぐれな唇(2002年製作の映画)
2.5
当時の評価は高かった作品のようだけど、会話中心の作風が新しかったんだろうか。のちのホン・サンス調の上品なカメラのふるまいはまだみえなくて、モラトリアム期の手探りの表現がつづく。

“人として生きることは難しいが怪物になってはだめだ”というセリフの繰り返しに、80年代の韓国民主化運動へのなじめなさが映画作家としての出発点にあったホン・サンスらしい正直さが出てた。暴力的で勇ましい当時の社会の雰囲気にはコミットできなくて周りと自分とのあいだにとんでもなくぶ厚い壁を感じてたことと、シンプルな会話劇のスタイルで恋愛映画をつくりつづけ今も手法を洗練させてることは、関係はかなりありそう。
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