さいとぅおんぶりー

気まぐれな唇のさいとぅおんぶりーのレビュー・感想・評価

気まぐれな唇(2002年製作の映画)
4.0
小説家の映画が余りにも面白かったので10年ぶりくらいに再見しました。

ホンサンスの初期作すっごいロメール!俯瞰ショットとかカット割りが多くて今見ると余りの違いに驚きの連続!!現在と違い即興演出もなくそれに伴う長回しや感情の断裂を避ける為のカット割りとしてのホンサンスズームも開発されてない、しかし根本的な作家性はもう既にこの頃から画一されているから尚面白い。

物語り中盤でアヒルボードに乗りライター貸した人がソニョンの旦那さんだったり偶然の出逢いに比重が置かれて居たのも面白かった。
最新作の「小説家の映画」だと運命が交差する前に出逢うか出逢わないか主体に意思決定が迫られるが此方は完全に運命に委ねている形になっている、この傾向はラストの易経シーンまで続いて男女の生物的な結び付きに対して介在する余地のない運命の流れを強く意識させる作りだった。
ホンサンスの初期三部作も何処かで配信して欲しいなぁ。