マーくんパパ

クイズ・ショウのマーくんパパのレビュー・感想・評価

クイズ・ショウ(1994年製作の映画)
3.8
今も昔もTV視聴率至上主義でのヤラセ番組は後を絶たず。1950年代アメリカでの人気クイズ番組のヤラセを告発した実在事件の映画化にレッドフォードが監督専念で取り組む。TV映えしないユダヤ人勝ち抜き回答者をスポンサーが降ろさせ育ちのいい白人大学講師に替えて視聴率回復させる。わたしでも知ってる1955 年アカデミー賞作品『マーティー』を『波止場』と誤回答させ新回答者には出題コッソリ教えて勝ち続けさせるカラクリ、引き換えに別の番組に出すとの裏取引も反故にされたユダヤ人ハービーは怒って大陪審に提訴するももみ消されて封印される。立法管理委員のディックが一連の不自然さに疑問を持ち調査開始する…。素人が一躍スターにされちゃうTVの魔力(金、名声、人気)、それに取り憑かれた製作者側と出演者側の皮相が浮き彫りされていく。メディアに関わる者の良心を問うテーマだが倫理観とは程遠いTV現場、教訓は生かされず今の時代にも蔓延るヤラセの構造、視聴者もバラエティー番組くらいなら許しちゃう益々麻痺感覚低下の現状、結局この世界は数字を上げたモン勝ちです。