大衆の人気が人間をおかしくする。
テレビ業界に限ったことではない。映画界もスポーツ界も文学界も政治家だって。
実力で頂点に上りつめた人でさえ、大衆の人気がプレッシャーとなり押しつぶされるのだから…。
この映画は、あるクイズ番組の八百長を描いている。番組関係者は大衆の人気を操作しているが、しかし、実際は逆ではないだろうか。最初は大衆の人気を操作していたが、そのうち、視聴率が頭打ちになり、番組関係者は大衆におもねるようになり、大衆の人気に操作されるようになっている。
この映画を観ながら、拓郎の「この指とまれ」が頭の中に流れていた。
言葉たくみな奴らも だけどすべてに幼くて
操るつもりが 気づいたら不自由で
ひとつ興味深かったのは、知識階級の名家の息子であるコロンビア大学の講師チャールズ・ヴァン・ドーレンが、金持ちであればなおさらお金に目がくらむというようなことを吐き捨てたこと。お金に不自由のない人ほど、逆にお金に貪欲なのかもしれない。