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クイズ・ショウのRのレビュー・感想・評価

クイズ・ショウ(1994年製作の映画)
4.3
おんもしろい! クイズショウのやらせを告発するというドラマの大枠のなかで、様々な人間的葛藤をきめ細かく丁寧に描いた名作。ユダヤ人と非ユダヤ人、ブサメンとイケメン、貧乏人とお金持ち、正義と不義、真実と虚偽…そして、説明するためにはことばを尽くすしかないような複雑な感情のひだ。それをほんのすこしの俳優たちの名演と的確な演出で、瞬く間にあぶり出していくプロセスは見事としか言いようがない。序盤の心情変化だけなぜか少し飛躍があるように感じたけど、それぞれの人物のもつそれぞれの思惑がどんどん裏目に出ていく後半の展開には文句なしに魅了されるし、2時間10分くらいがものすごく短く感じる。しかも見終わったあとのこのなんとも言えない喪失感。誰が何を得て、誰が何を失ったかを考えるとやるせない気持ちになるし、当然そうなるべきなのに、そうなってほしくなかったと願わずにはいられないこともあるし、本当に告発されるべきものがそれをスルリとかわすのとか、ほんとにビミョーな気持ちになる。こんなにビミョーさを感じさせてくれる映画はなかなかなかねー。あ、あとあの立法管理委員の奥さん、ほんとこわいなーと。男同士の関係を理解できる女ってほとんどおらんし、いざとなると冷酷になれるレベルがめちゃめちゃ高いよね笑 レイフファインズを筆頭に俳優さんがみんなすばらしく、ものすごく込み入った複雑なものをこんなにわかりやすく描けてるのには実に驚き、これはまた見たいかも!
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