このレビューはネタバレを含みます
テレビの人気クイズ番組『21』のやらせを巡る物語。50年代のアメリカで起こった実話が元になっているそうで。確かに本当にありそうな話。
テレビ番組なんてほぼやらせだろうと思えるような現代では、真実を暴こうする(そして局を打ち負かそうとする)グッドウィンの行動が不思議に思えた。彼は何に突きつけられて真実を追っていたのか。プロデューサーの最後の証言にもある「21は局もスポンサーも出演者も視聴者もみんなが幸せになる」という部分に納得できてしまう単純な私は、真実を明かすことが必ずしも正しいとは思えない。
この作品、明確な善悪はないし、それを追求するのはそんなに意味はないと思うけど、敢えて悪を挙げるならば個人的にはステンペルかなと。彼が一番自分勝手で卑怯だと思った。…という具合に、うまいこと逃げきったテレビ局を悪だと思えないように作っている点もまた面白いなと思った。
2015-109