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青の瞬間(とき)のカーネルのレビュー・感想・評価

青の瞬間(とき)(2001年製作の映画)
3.3
色々文句つけたいところもあるにはあるのだが、まず嫌いになれない、というか好きなんだなこの作風が。
そして主演の17歳、郭智博が、良いのだ。

尺の短さと、郭智博の名前を見つけて鑑賞の運びとなった。彼の名は脇役端役ながらも以前からよく見かけており、気になるバイプレの一人。まさか若き日に主演していたとは!
ネームバリューでは共演の伊藤淳史の方が当時でも大きいはずだが、決して引けをとらず、演技力では勝っている。
静かで抑えが効いているが、後半からの芯の強さが滲み出た演技はタツオにピッタリだ。
島という狭い世間から東京へ向かうタツオの、〝不安で不安でたまらないんだ〟の言葉は、離れることになる、もっと狭い世界にいる車椅子のカナエの胸の内とシンクロするが、お互いに慰め合う事はない。
この二人の再会の時を考えながらエンディング曲を聴いた。
歌っているのはカナエを演じた柳沢真理亜。作品イメージとは違うが、タイアップして彼女を売り出すつもりだったのか?が、この後彼女は映画作品には出ていない。

監督脚本は名前から女性かと思いきや
男性であり(そのどちらでもないのかもしれないが)ちょっと変わった作風かな。
演出はそんなに細かくなさそうだ。

ザラザラと粗い作品ではあるのだが、
主演の二人が繊細で初々しい。

歳を経た郭智博の今後にも期待!
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