島根県に隠岐島という島があって、遠い親戚がいるので二度訪ねたことがある
たまたま見た「色即ぜねれいしょん」で隠岐が舞台だったのでうれしかった…けど実は隠岐での撮影はしていないらしく、好きな映画だっただけに複雑な気持ちでいた
それならと隠岐で撮影された映画を見よう(こうなったら意地…)とこの作品にたどり着いた
それぞれの事情を抱え、何かに囚われた中学生が自分の生きている証を探す様が切実
周囲の大人たちもそれぞれを探している
「リリィシュシュ」で映画デビュー、その後の岩井作品にも出演している郭智博の初主演とは思えない堂々とした演技、ヒロイン柳沢真理亜の佇まいが素晴らしい
思春期の苦々しさ、痛み、イニシエーションへの思い、衝動、性、予測不能な行動といったこの時期特有のモノを二人が見事に体現
伊藤淳史、岸部一徳、世良公則、涼風真世の過不足ない抑制の効いた演技が作品のクオリティを支えている
この監督の初長編作品ということもありオトナの事情があったのかもしれないが、エンディングの歌謡曲感のミスマッチがすごいのだけれど、作品じたいがよいのでご愛嬌といったところ
中学の夏休みに民宿を経営する親戚を従兄弟たちと訪ね、隠岐の透明度の高い紺碧の海を満喫した
大学の夏休みにガールフレンドと訪ねた時は雨に祟られて散々
その後はアクセスの悪さもあって行けていない
昨年急逝した従兄の葬儀で昔お世話になった親戚の人と会い、いろいろと話しをさせてもらった
中学の時にごちそうになった赤貝のカレーの話をすると、赤貝ではなくて鯖だろうと言われたのだけれど、鯖のはずはない…漁船で沖に出て貝殻を捨てたのは確かだし、今も口に残っている食感は貝のそれだった(サザエだと言われれば自信が揺らぐのだけど)
それを確かめることはできないし、僕が赤貝だと思っていればそれはそれでもういい気がしている
でもまたいつか行きたい場所ではある