鍋山和弥

機動戦士Zガンダム II -恋人たち-の鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

戦争は、死を生む。その死は、決まって、優しい者から、訪れる。なぜなのか?戦場では、非情になりきれない者は、心の隙を突かれ、卑怯な手で、殺されたり、騙されたり、利用されたりする。互いの心を、分かち合う友を得るには、優しさは、大事だ。だが、それは、同時に、戦場では、早死にする。優しさ故に、無理をして、誰かを庇うからだ。もしかしたら、その優しさを向ける相手が、立場的に、敵勢力の者であることも、十分、あり得る。『カミーユ』と『フォウ』の場合も、そうだろう。戦いで、合いまみえる前に、交流を、深めた者であれば、相手は、非情な者でないことを、知ってしまえば、やはり、攻撃にも、躊躇いが、産まれるし、助けたいとすら、思ってしまう。もし、出会いが、敵同士でなければ。もし、戦時中でなければ。もっと、違ったのに。この作品の、サブタイトルは、『恋人たち』。正しく、その通り。戦いの最中の、愛する者同士の、繋がり、思いやり、悲劇。そんな、互いの思いが、もどかしく、切ない。戦争とは、やはり、悲しみに満ちている・・・・。
鍋山和弥

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