すずき

摩天楼はバラ色にのすずきのレビュー・感想・評価

摩天楼はバラ色に(1986年製作の映画)
3.8
時はバブル時代。
故郷カンザスの大学を卒業した若者ブラントリーは、ビッグになる夢を見てNYに上京。
だが、入社した企業がファンドに買収され、経営改革で初日リストラ!
遠縁の伝手でハワードが社長を務める巨大企業ペンローズ社に拾ってもらう。
だがそこで任されたのは、キャリアのスーツ組ではなく、社内の書類運搬係。
下っ端の仕事をこなす中、若いエリート重役クリスティに一目惚れしたブラントリー。
彼は果たしてビッグになって、金も名誉も女も手に入れる事が出来るのか!?

マイケル・J・フォックス主演のコメディドラマ。
80年代ナンバーの音楽と80年代のご都合主義展開の脚本の、THE・80年代な作品。
オープニングの演出からレトロなオシャレで小気味よく、いきなり惹きつけられたなー。

ビジネス界のブラックな所も描き、その中で主人公はどう出世していくのか、と気になった。
だがその方法は、書類運搬という立場を利用した文書偽造とハッタリの出任せで無理矢理重役のポストに入り込むのは笑った。
文書配達と会社経営の二足の草鞋という忙しすぎる毎日。
しかも当然、それぞれの部署にバレないように仕事をこなさなければならない。
余りにもメチャクチャ過ぎる所もご都合主義的で、それがコメディだから許せるか否か、人を選びそうではある。

中でも、最終的な問題の解決方法が、「金持ちと知り合いになる」事だったのは流石に力技が過ぎるか。
主人公の人たらしスキルがハンパないのは分かるけれど、序盤に「他人の力でなく、自分の力でのし上がりたい」と言った主人公は何処へ?
それだけ切羽詰まった、とも大人になった、とも言えるか。
その辺りはこちらもTHE・80年代映画の「フラッシュダンス」の脚本とも被る。
結局、色仕掛けやん!という所も。

そんなにマジメに考えずに、ご都合を笑ってツッコんで、最終的にハッピーになれる作品だと捉えれば、中々楽しめた!