mh

サヨナラのmhのレビュー・感想・評価

サヨナラ(1957年製作の映画)
-
朝鮮戦争で活躍するアメリカ空軍のエースパイロットと、日本の少女歌劇団トップスターの恋愛もの。
人種差別と偏見を乗り越えて結ばれるというのが主なストーリーで、2022年の視座だとマンスプレイニングの匂いが強いんけど、公開当時はかなり革新的なテーマだったようで、アカデミー賞をいくつも獲得している。
ロールモデルとして配置された、友だち夫婦の奥さんのほう(ミヨシ ・ウメキ)が助演女優賞に輝いている。東アジア系アメリカ人で初の快挙とのことなんだけど、あからさまに脇役なのでびっくり。
・1950年代後半の日本の風景。
・その頃の大阪松竹歌劇団。
・リアリティにこだわった日本家屋。
このあたりの貴重なショットで目が楽しい。
人種のるつぼとなっているアメリカにおいて、異人種間結婚は身近で深刻な悩みだったようで、その宿痾に答えを与えたのが大ヒットした理由だったのかもしれない。
いっぽうで、アジア人女性=水商売というステロタイプの醸成に一役買ってしまったとのことだ。
良薬は口に苦しってことなのかな?
この映画の大ヒットが、ベトナム戦争にどのような影響を与えるのかとか、正直、あまり考えたくない。
ただの恋愛ものとして消化するとつまらないけど、時代背景含めて俯瞰すると、とても意義のある名作に早変わりするので、鑑賞後はいろいろググるべきだねやっぱ。
面白かった。
mh

mh