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戦友の歌のmhのレビュー・感想・評価

戦友の歌(1939年製作の映画)
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VHSタイトルは「戦友の歌~黄浦江~」。「戦記映画復刻版シリーズ(の22)」となっているが、ほかはDVD化されたのに、これだけDVDになってない。文化庁のデータベースに公開された映画としての登録なし。配給マークは東宝。
冒頭は人力車夫の背中。上海租界のネオンの夜景。
上海のど真ん中を流れる河――黄浦江(読みは「こうほこう」)で匪賊(=抗日勢力)の掃討にあたる海軍特設鉄砲隊の巡回パトロール/活躍に密着している。
日記の文字を読ませることで話をすすめる――ほぼサイレント映画みたいな構成。
帝国海軍が地元住民や慕われ、欧米の宣教師に頼られてるいる様子や、不衛生な市場、京劇など上海の風俗・文化も記録している。
注文通りのオーソドックスなプロパガンダ映画。
撮影のRichard Angstは、のちにフリッツ・ラングとも組むことになるスイス生まれのドイツ人。戦争中はナチスドイツのプロパガンダ映画(ただし政治色が薄かった頃)の撮影もやっていたとのこと。戦後はCCCフィルムで活躍することになる。
ハーケンクロイツを含む諸外国の舟船が集まっているなか、水上艇を積んだ水上機母艦の雄姿。砲艦を運用している様子もあった。
歌詞付きの軍艦マーチをフルコーラスもあり。
終盤に申し訳程度の銃撃戦あったけど、相手の姿もなく、すぐにそのくだりは終わってしまった。
溺れているものを救助するくだりの唐突さに笑ってしまった。パトロールしてたら溺れてるひとが数人いるのはシュールがすぎる。
いま現在、「黄浦江」でググると出てくる画像と、この映画の風景が違いすぎてすごい。
面白いわけじゃなかったけど、有意義な鑑賞となった。
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