健一

どら平太の健一のレビュー・感想・評価

どら平太(2000年製作の映画)
3.2
BSで放送していたので録画して深夜に鑑賞。

いやぁ〜。役所広司さん!この役演じていて気持ちよかっただろうなぁ〜。
2000年に公開された恐らく20世紀最後の大作時代劇。
なんとも清々しい痛快時代劇です!
巨匠 市川崑監督が晩年にこんなタイプの時代劇を撮るなんて ちょっとビックリ!
当時としては かなり斬新な作品かと思います。

ある小藩の町奉行所に着任した 小平太 はその豪快ぶりから『どら平太』というあだ名が付くほど 型破りな役人。
彼はこの藩の『壕外』と呼ばれる所で権力を握る3人の親分の悪行を暴くべく 思いも寄らぬ方法で取り込もうと行動に移すが・・・

ピンとこない方に現代風に言うと
ある地区の警察署長に着任した男が その町の風俗街で 売春 薬物売買 賄賂による買収など 法の限りを犯す3人の権力者に法の裁きを下す為、悪戦苦闘する警察署長さんの話。みたいなことです。

そう。主人公は型破りな人間とは言え サムライでも用心棒でも浪人でも無く お奉行様 なのです!
この部分が私の中では斬新でもあり新鮮。
『型破り』とは言え法のもとに守られている人間なので むやみに人を殺さない安心感が何故か観ていてとても痛快なのです。
職場に全く出勤しない、口が悪く女に弱い。情に厚く友人想い。やる事なす事めちゃくちゃ!でもって 腕っ節はめっぽう強い。
もう最強のスーパーヒーロー(笑)!
どら平太の行動を観ているだけで安心して楽しめる。役所広司さん! 良い役もらったねぇ!

どら平太を脇で支える役人を演じた『鶴ちゃん』こと片岡鶴太郎、ラスボスを存在感たっぷりに演じた菅原文太さんの二人も素晴らしい演技を見せてくれる。
それとは対照的に どら平太に想いを寄せる女性を演じた浅野ゆう子、同僚を演じた 宇崎竜童の演技はちょっとヒドい。
その他ベテラン俳優陣が多数出演しているが皆 出番が少な過ぎるのが少し残念。
まぁ、その分どら平太の見せ場がタップリなので ほぼ独り舞台と言ってもいい。
監督も役所さんを撮りながらウキウキしていたのだろうと勝手に解釈。撮影現場の楽しそうな雰囲気が眼に浮かぶようだ。

作品自体も傑作と呼んでもいいくらいなのに イマイチ知名度が低いのが不思議な作品。
まぁ、チャンバラや殺戮シーンが大好きな時代劇ファンの方からしたら物足りない作品なのかな?
オープニングとラストのキャストのテロップの出し方も『エヴァンゲリオン』丸パクリのような感じで若者向けを狙ったような あざとい作りも年配の方には毛嫌いされてしまったのかも。

私はめちゃくちゃ楽しめた。
ホント あっという間に終わってしまったという感じ。こんな時代劇もたまにはいいかも。



😷コロナパンデミック中に鑑賞😷
健一

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