似太郎

七人の無頼漢の似太郎のレビュー・感想・評価

七人の無頼漢(1956年製作の映画)
4.6
その脚本の巧みさと各々の役者の配置でグイグイ引き込まれる、西部の風景や砂粒、岩山の形状など大地を構成する様々な要素を驚くほどうまく用いたB級作品。オーソドックスな西部劇ならではの旨味が生きた秀作。

監督バッド・ベティカーと脚本バート・ケネディによる叙情的な余韻に浸れる一作で、制作ハリー・ジョー・ブラウン✖️主演ランドルフ・スコットによる【ラナウン・サイクルもの】第一弾。

単純明快なプロットに悪党との駆け引き、未亡人とのラブロマンスなど古典的な西部劇の要素をふんだんに持ち込み、短い尺(78分)の中に燻んだ色調のワーナー・カラーの映像美が冴える一作。

主演ランドルフ・スコットの澄んだ瞳が西部という過酷な世界を生きる逞しい男の浪漫を彩った不純物ゼロな活劇として見応えがある。悪役リー・マーヴィンもイイ味。

のちのレオーネ監督のマカロニ・ウエスタンにも影響を与えてそうな、作り込んだ設定とサクサク進むテンポの良い活劇として一級の作品。安定感ある画(え)作りが素晴らしい、あくまで安上がりのB級西部劇として納得いく出来栄え。少なくともジョン・フォードのような【芸術臭】はない。

古き良き時代のウエスタン・ムービー、機会があれば観てみては如何でしょう?🌵
似太郎

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