ジャン・ベッケル監督作品、初鑑賞。
都会での家族との生活に疲れ、生まれ故郷に戻ってきた画家のキャンバス。荒れ果てた庭の手入れに来てくれたのは、かつての幼なじみであるジャルダンだった。2人は自分たちの人生を語り合いながら、お互いの仕事を生きがいに、幸せで穏やかな日々を過ごすが…。
歳を重ねた二人が、人生の終局に真の友情を育む人間ドラマ。雰囲気がめちゃくちゃ良い。セリフも良い。
ジャルダンがとっても優しくて、自分の大切なもの、大切にしたいものをちゃんと分かっていて、そんなジャルダンの穏やかな優しさや品のある知性にキャンバスが影響を受けるのもとても分かる。
ゆったりとキラキラしていて、派手さはないけど、その飾らなさが凄く良い。淡々とした会話劇で、大きな何かはないけど、結構笑えたりして、でも意外と中身はあるようでない辺りがこれまた心地良い。
ただ、ひとつ気になったのは、会話劇の会話が想像してたより多いなーという事。字幕を追うのも大変なシーンが多く、もっと風景や余白を楽しみたかったかな。
人はいくつになっても成長出来るし、人生を豊かにする事が出来る。人生の小さなドラマが大きなドラマだったりする。人生における「友人」ってやっぱり何にも変えられない宝物で財産だよなぁとじんわり思った。
奥行きのある素敵なストーリーでした。
2021-417
