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画家と庭師とカンパーニュのkojikojiのレビュー・感想・評価

画家と庭師とカンパーニュ(2007年製作の映画)
3.8
2007年 ジャン・ベッケル監督作品

亡くなった父の家の後を継いだ画家キャンバス(ダニエル・オートゥイユ)がパリからやってきた。
彼は庭師ジャルダン(ジャン=ピエール・ダルッサン)を雇って荒れ放題の庭に家庭菜園を作ろうする。
このジャルダンはイタズラを一緒にやった、幼な友達だった。
キャンバスばジャルダンに家庭菜園の管理を任せる。
パリの芸術家と元国鉄職員の地元で堅実な暮らしをしている庭師という全く環境が違う生き方をしてきた二人は、これまで過ごしてきたお互いの人生に触れ合ってゆく。

キャンバスはパリで画家を続ける中で、どこか自分の人生に行き詰まっている。妻は離婚をしたいといい、娘とも上手く付き合えていない。自分の絵にも次第に満たされない思いでいる。

庭師は画家の絵をさりげなく励まし、画家は庭師の義理の息子に仕事を紹介するなど互いを支えあいながらも干渉し過ぎることなく、穏やかに友情を深めていく。

この二人の穏やかな交流がこの映画の見どころ。

カンパーニュとはフランス語で「田舎」という意味らしい。
題名どおり、二人の友情は、故郷に帰って、何もかも知り尽くしている友人との語らいを続けているようなそんな気持ちになる。

地味な映画だが、大事なことをじんわりと、心の奥に語りかけてくる良作。
仕事に追われ、嫌な人間関係にちょっと疲れた人達には、応えられない映画だと思う。
何かを取り返せると思う。
ジャケ写が映し出すあの世界へどうぞ!

※ジャン・ベッケル作品3作品をレンタルした。あと2作品も楽しみだ。

2023.03.17視聴116
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