フラン

画家と庭師とカンパーニュのフランのネタバレレビュー・内容・結末

画家と庭師とカンパーニュ(2007年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

幼なじみ二人が画家の田舎でほのぼの会話しながらお互いの仕事に魅了されていく
荒れた農園は庭師によって見違えるくらい綺麗な菜園へと変貌を遂げ
作風が線のハッキリしない印象絵画で悩みの多かった画家は真心に残った絵の個展を出すことにする

とてもシンプルな話なのだが庭師の持つ生き様が文学的で芸術の要素を含んでおり画家は自分の持つ固定観念を変えることになった展開はあまりにも見事で涙が止まらなかった
やはり歳を重ねれば重ねるほどそれはあまりに難しいことであるからだ

映画全体を通して印象派の画のようなやんわりと柔らかいシーンで構成され庭師が手入れした庭が匂ってきそうなくらい錯覚になる
モーツァルトを聞きながら寝る庭師は美的感覚を誰もが持っていることを示している
そして使用しているモーツァルトのクラリネット協奏曲(イ長調k622 第2楽章)は




彼が亡くなる一ヶ月前に完成させた曲だ
薄々と悟る庭師の気持ちがリンクしているように思えた
天国に近づく庭師は画家と一緒に小舟で大きな魚を釣りリリースする
その戯れは通過儀礼のようにそして彼らの人生礼儀として眩く美しい


庭師「ナイフを持ち歩くと良いよ。ヒモと一緒にね」
フラン

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