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007/オクトパシーのtjZeroのレビュー・感想・評価

007/オクトパシー(1983年製作の映画)
3.9
シリーズ全作を何回も観返してる位の大好物なのですが、その中でも本⑬作は一番平均的な面白さというか、スタンダードな出来だと思います。

まずはおなじみのオープニングの活劇。小型トラックに収まる高性能戦闘機が活躍し、普通の映画のクライマックスに当たるようなアクション場面をタイトル前に見せちゃう…という本シリーズの水準を楽々とクリア。

そして本編が始まると、神秘的なインドから謎めいた陰謀ストーリーがスタート。対立が激化する中盤から終盤にかけては冷戦下の東西ドイツが舞台…というストーリーの展開とロケーションの移動がガチッと連動していて心地よい。

加えて敵の一味が姿を隠しているのがサーカス団という設定もあって、どこかなつかしい、冒険活劇のテイストが楽しいのです。温泉街の射的場のようなリラックスした娯楽。

ボンドがゴリラの着ぐるみに入ったり、ピエロの扮装をしたりするのはかなり脱線気味ではあるのですが、ユーモアが持ち味のロジャー・ムーア主演という事もあり、ギリギリ逸脱しない奇妙なおかしみをキープしています。
数々のスタントも迫力あるし、大らかな中にもクルクルと展開するスパイ戦も魅力的。お代の分はキッチリと返してくれる、シリーズのレベルの高さを見せつけてくれています。
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