Jeffrey

二重生活のJeffreyのレビュー・感想・評価

二重生活(1947年製作の映画)
3.0
「二重生活」

本作は本作は1947年にジョージ・キューカー監督が舞台に取り憑かれた男の狂気と悲劇を描いた力作で、ロナルド・コールマンがアカデミー主演男優賞受賞した作品で、この度DVDボックスにて初鑑賞したが面白い。さて物語は、舞台の名優トニーはブロードウェイで長期興行を終え、次回はシェイクスピア劇オセローを上演と決定した。相手役の女優は彼の別れた妻ブリタだが、2人ともいまだに愛し合っている。彼女はトニーが舞台に入れ込みすぎて、それを家庭に持ち込む癖が抜け切れないため離婚したのだった。こうした性格のトニーにオセローを演じさせるのは危険だと演出家のドランドは反対した。舞台稽古で早くもオセロー役に心奪われたトニーだが、イタリア人街でウェイトレスと知り合い、深い関係になったことから自体は思わぬ展開を見せ始める…と簡単に説明するとこんな感じで、監督唯一のノワール作品で有名だ。西洋世界では第一級の芸術である演劇の世界を背景とし、出演俳優もスタッフもそれぞれの世界観と手法に近いノワールと言うよりは、ジキルとハイド、ドッペルゲンガー系の1種にちか寄せている感じは誰しもが映画を見ればわかると思う(感じると思う)。この映画の照明(暗がりがたまらなくいい)。声の乗っ取りや人格によるものであることを自然に納得させられるかのような演出はすごかった。
Jeffrey

Jeffrey