ガブXスカイウォーカー

タスマニア物語のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

タスマニア物語(1990年製作の映画)
3.3
タスマニア版『北の国から』。タスマニアを舞台に、少年と父親のふれあいを描く。石沢正一(多賀基史)は春休みに、離婚した父親・栄二(田中邦衛)が住むオーストラリアを訪れる。しかし父はいるかいないかもわからない幻の生き物タスマニアタイガーを探すために一流会社を退職していた。そんな栄二に自然保護運動の仲間、平島直子(薬師丸ひろ子)は惚れて正一の面倒を見ながら着いていく。家庭を守るためにアクセク働くお父さんたちにとって栄二は羨ましくもあり、同時に反感を買うような設定だ。正一がそんな父親に怒るのも無理はない。
でもなんだかんだあって、正一と栄二は仲直りし、二人だけでタスマニアタイガーを探しに行く。ようやく出会ったタスマニアタイガーはなんとアニメ、しかもシルエットで数秒の出番だ。まだCGなんてない時代とはいえ、せめて着ぐるみや作り物は用意出来なかったのか?
なお最大の見どころは、正一がまり子トンプソン(小島聖・当時14歳)と二人っきりでボートに乗るシーンだろう。正一はまだ小6だというのに、まり子の色香に興奮し、力んでボートをこぎ出す。すると突然、股間をおさえて、沼に飛び込む。ファミリー向け映画で精通を描いたことにビックリ。当時、家族で観に行ったお父さん、お母さんは子供になんと説明したのだろうか?
今作は海外ロケを行い、多種の野生動物たちを写すが、なぜか広大で美しいと言うほどの景色はほとんど出てこない。日本でもちょっと田舎に行けば撮れそうな風景ばかりだ。ネットによると、急ごしらえで企画を立ち上げ、撮影されたと言うからこれが限界だったのだろうか? 
残念ながら僕にとって『タスマニア物語』は、久石譲の美しいメロディと薬師丸ひろ子、小島聖の可愛らしさだけが印象に残る凡作であった。