メンフィスの安ホテルを利用する三組の物語。
それぞれの物語は大げさに交わることもなく、一瞬掠めて過ぎ去って行く。
話の緩急のつけ方もまるで違う三つの物語だが、雰囲気を楽しみながらずっと観ていられる。
エルヴィス・プレスリーを中心に据え、
彼に憧れる日本人、
特に興味もないが今日に限ってはその名前に特別な意味を感じるイタリア人、
その名にうんざりしているイギリス人、
それぞれの視点でアメリカという国が立体的に浮かび上がっているような面白さもあった。
「俺たちは好きで白く生まれたわけじゃない」
という白人2名の台詞はちょっと新鮮に響く。
