kazマックスグローバーレッド

ステロイド合衆国 〜スポーツ大国の副作用〜のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

5.0
「米国を偉大にしたのは屈強な肉体とランボーの精神だ!」レーガン大統領の演説とロス五輪で強いアメリカが最高潮だった1984年。

そんな環境で育った監督はナッティプロフェッサーのように一家全員おデブさんの3兄弟。全員ステロイドを使用してマッチョな大人になるが薬物の危険性を知ってそれを断ったのは次男の監督だけ。

ハイテクを駆使して薬物も投与するドラゴに対して納屋で黙々と筋トレをするロッキー。しかしスタローンもシュワちゃんもステロイドを打っていた。

虚弱で兵士になれないスティーブロジャースも薬物投与でキャプテンアメリカになり、『バキ』ではジャックハンマーが 1日30時間の鍛錬という矛盾を信条として鍛え上げた肉体に「俺はステロイドを超えた」とエンタメ界でも薬物三昧。

このドキュメンタリーに出てくる人達と同じく自分も格闘技やウエイトトレーニングをずっとやっていて現役の時はベンチプレス165kgまで記録が伸び、後輩が本気か冗談か「ステロイド打ってるんですか」って聞かれた事があるけど、注射針が怖いのにステロイドなんか打つわけねぇだろと思っていた。

UFCのアリスターオーフレイムは片腕に150kgの重りを持ち合計300kgで全力疾走していて、これが禁止薬物ステロイドパワーです。

米国ではサプリは合法でも規制が緩いので無法地帯、素人が作っている粗悪なサプリが普通に市場で販売されていた。

『フードインク』を見て米国産の食べ物を摂らないようにしてたけどサプリも同じ現状だったのか、昔は結構サプリを摂取して中には輸入品もあったので、ちょっとゾッとした。

ステロイド規制が国の法案で決まった年にシュワちゃんが大統領審議会のスポーツ委員長に就任。「スポーツ界の薬物汚染を撲滅します」と宣言しておきながら自身が主催するボディービル大会では薬物検査なしでノーコメント。
『ボーリングフォーコロンバイン』のように突撃取材をした監督だけどシュワちゃんと腕を組み『プレデター』のカールウェザースのような上腕二頭筋ガッチリ握手が出来て、変な所で夢が叶ったと微妙な心境。羨ましいけど何をやってるんだか…