南宮龍八

同い年の家庭教師の南宮龍八のレビュー・感想・評価

同い年の家庭教師(2002年製作の映画)
4.0
キム・ハヌル主演作の中ではお気に入りの1本だが「彼女を信じないでください」(2004)とともに韓国ラブコメ映画にハマるきっかけとなった思い出深い作品である。清楚なキャラクターが魅力のように感じていたキム・ハヌルがスワンというハッチャケ主人公を好演したことで、完全にコメディエンヌに開眼したと言っていいだろう。特にすかした態度や動揺した気持ちが表情に出る独特のリアクションが可笑しく、これは後に「彼女を信じないでください」にも引き継がれる特徴ある演技となった。もうすっかりお約束となっているヒロインの嘔吐ネタももちろん登場するが、やや変則的なシチュエーションで登場するので面白いかも(笑)ところで、スワンの母親が実家でフライドチキンの店を経営している設定だが、韓国では実際にフライドチキンの店をオープンした人が多かったという裏事情が垣間見れてなかなか興味深い。「モムチャン=最高の肉体」ヒーローらしくクォン・サンウが帰国子女で喧嘩の強い不良高校生を演じるが、ラブコメにアクションなど大して期待していなかっただけに、意表をつくテコンドー系の蹴り技アクションが飛び出した時にはビックリした。特にビリヤード場でボールを足蹴りするシーンは李連杰/ジェット・リーの「キス・オブ・ザ・ドラゴン」(2001)へのオマージュかと思ったくらいだ。最初っから笑いのツボを押さえまくった演出や、ユニークすぎる脇役キャラクターたちのお蔭で最後まで笑いっ放しだった。ジフンと対立するマヌケな番長(コン・ユ)やジフンのバカ舎弟役のパク・ヒョジュンなどベタな笑いを振りまくし、ジフンの父親役で往年のスター、ぺク・イルソプが出演、その熊のような大きな体で独特の存在感を残しているのも可笑しい。

07/05/18
南宮龍八

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