中庭

マジック・ランタン・サイクルの中庭のレビュー・感想・評価

3.6
『花火』。マイノリティへの苛烈な暴力と、それに対応するマゾヒスティックな欲望の世にも危ない相関性について。禁句とされ、言語を失った主張が、映像詩の形を借りて何枚も障壁を貫通し表出される。
『ラビッツ・ムーン』。ファーストカットの簡潔さ。他の作品と比べても珍しく、持続する穏やかな感動がある。繰り返される、紙の月との距離を遥かに超越した切り返し。
ミック・ジャガーが作ったとされる、無駄の削り落とされたノイズと原色まみれの映像の編集が本当に素晴らしい。
案外、どれもエンディングへ向かうにつれ収束していく演出が見受けられる。
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