芦田友郎

延安の娘の芦田友郎のレビュー・感想・評価

延安の娘(2002年製作の映画)
3.8
大学時代の先輩に勧められて鑑賞。文化大革命に翻弄された親と娘と諸々の人達のドキュメンタリー。文革って結局権力闘争でしたよね。巻き込まれた人間を見るとミルグラム実験のような、人間についての本質的な不信を感じる。
異常な程の執念で娘の親探しを助ける黄玉嶺は、自分自身も文革で人生を狂わされ人としての尊厳を奪われながらも、今なお共産党支配の続く中国で「全て時代のせいにして」知らん顔の人達の中でどこに怒りをぶつけていいか分からず、「誰を怨めばいいのでございましょうか」と言わんばかりに苦悩する本作の本当の主人公。
コレに限らず、日本も世界も自らの「負の歴史」についてはドンドン記録に残して欲しい。すぐに忘れようしたり美化しようとする人が出てきて恐ろしい。