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コーヒー&シガレッツのyoko45のネタバレレビュー・内容・結末

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

 とりとめのない会話、役者の仕草と表情、歯車の合わない感じが絶妙。監督の交遊関係も垣間見えて面白いです。演技は第7話のケイト・ブランシェットが出色か。
 個人的には第6、7、9、11話がお気に入り。ダラダラしたい時に観ても良いかも。
 世界は分かったようで分からない共鳴伝導体なのかもしれません。

(以下どこかのページから抜粋)

1話『変な出会い』
 あるカフェ。ロベルト・ベニーニがコーヒーを飲んでいるとスティーヴン・ライトがやってくる。初対面の二人は握手を交わすもカップを持つ手は小刻みに震え居心地は良くない。
 いつまでここにいるのか、暇なロベルトはスティーヴンに聞く。するとスティーヴンは、歯医者の予約があるので行かなければならないが歯医者が苦手で憂鬱なため「僕の代わりに歯医者に行く?」とロベルトに聞く。ロベルトは代わりに歯医者へ行くため揚々とカフェを立ち去る。

2話『双子』
 男女の双子(ジョイとサンキ)が、メンフィスのダイナーで休息。そこへウェイターのS・ブシェミがやってくる。ブシェミはサンキに注ぐお代わりのコーヒーをこぼすも悪びれる様子もなく「コーヒーとタバコだけでは体に悪い」と言って昼食を勧める。二人は同時に「いらない」と言い返す。
 息ピタリの二人を見て、ブシェミはエルヴィス・プレスリーには双子の兄がおり…というオチのない話を語り出す。ブシェミが店主に呼び出され立ち去ったあと、双子はコーヒーで乾杯、服や靴のスタイルを真似しているしていないで揉める。

3話「カリフォルニアのどこかで」
 ミュージシャンのイギー・ポップがコーヒーを飲んでいる。すると同じくミュージシャンのトム・ウェイツがやってくる。
 イギーがトムの分のコーヒーも注文しておいたと言うと、トムは顔色を変え、テーブルに置いてある煙草に目を止め「禁煙したおかげで堂々と吸える」と?なことを言って吸い始め、イギーも勧められるままに吸う。煙草が旨い二人はコーヒー&シガレッツ世代。が、会話は噛み合わない。
 イギーがジュークボックスにトムの曲がないことを言うとトムは不機嫌に。今後も会うことを約束して立ち去るイギー。残されたトムは、ジュークボックスをチェックして「あいつの曲もない」と笑い煙草を吸う。

4話「それは命取り」
 ジョーがヴィニーに、喫煙は命取りだと忠告。しかし、ヴィニーはニコチン中毒なのでやめられないと答える。
 そこへヴィニーの幼い息子がやってくるが、何故か身振り手振りでヴィニーに小遣いをせびる。
 ヴィニーはコーヒーを飲むジョーにカフェイン中毒だと忠告するが、彼はコーヒーはエネルギー源だと言いやめるつもりはなく、二人はコーヒーで乾杯。
 ヴィニーが再び煙草を吸おうとすると、息子が日本の豆菓子を持って戻ってくる。ジョーは豆菓子を勧められ食べてみるがすぐに吐き出し「毒をよこしやがって」と怒る。ヴィニーは笑い、息子が出て行くの待ちタバコに火を付けようとする。
 ジョーは「お前が死んだらタバコ会社に感謝しないとな」と悪態、ヴィニーは「お前は口うるさい女房みたいだ」と、煙草を吸うのをあきらめる。

5話「ルネ」
 ルネがカフェで一人コーヒーを飲みながらタバコを吸う。何故か銃の雑誌を読んでいる。
 ウェイターが彼女のカップにコーヒーのおかわりを注ぐとルネは「色も温度もちょうどよかったのに」と不満。ウェイターが立ち去ると、ルネはコーヒーに砂糖とミルクをほど良い好みに足す。
 また同じウェイターがくる。ルネはカップを手で塞ぎ、おかわり不要をしめす。ウェイターは誤り立ち去る。(このウェイターがしつこい)。またもやウェイターがやってきて「あなたの名前はグロリア?」と尋ね、彼女は違うと言う。友達の知り合いと勘違いをしたとウェイターは立ち去る。が、またまたウェイターはすぐに戻ってきて、コーヒーと一緒にサンドウィッチを勧める。ルネがランチではないのでいらないと伝えると、ウェイターは立ち去る。ルネはまた静かに雑誌をめくる。

6話「問題なし」
 アレックス・デスカスが、パリのカフェで煙草を吸いながらコーヒーを飲み、サイコロを振って遊んでいる。そこへ友人のイザック・ド・バンコレがやってきて、二人は再会を喜び抱擁。
 コーヒーで乾杯、アレックスは何もかも上手くいっていると近況を話す。すると、イザックは「久しぶりに電話をしてきたから何かあったのかと思った」と心配。アレックスはただ会いたかっただけだと笑う。イザックが本当に悩み事はないのかと重ねて聞くと、アレックスは「俺が順調だと不満?」と聞き返す。
 アレックスは何も問題はないと念押し、それでもイザックはなかなか信じない。アレックスは苛立ち「そんなに言うなら問題を作り出そうか?」と言う。
 イザックは慌てて、友達だから何でも相談してほしいと言い、アレックスはイザックのしつこさに呆れ、本当に何も問題はないと繰り返す。
 しばらくするとイザックは席を立ち、アレックスに別れを告げ「もしも悩み事を話したくなったら電話をくれ」と言う。本当に何もないのだとアレックスは念押し。イザックは「分かっている」と言うが、アレックスは「分かっていない」と言い返す。
 アレックスはイザックを見送り、タバコに火を付けサイコロを転がす。何回なげてもゾロ目を繰り返す。

7話「いとこ同士」
 ケイト・ブランシェットが一人二役。
 女優のケイトは、高級ホテルのロビーでいとこのシェリーを待つ。ケイトは金髪で上品、シェリーは黒髪でラフな服。
 再開した二人。シェリーが禁煙の場でタバコを吸い始め、「あんたなら怒られない」と言って、ケイトにも勧める。シェリーはケイトのいとこだと言っても中々ホテルに入れてもらえなかったこと、外にたくさんのパパラッチがいたことを話す。
 ケイトはシェリーの恋人の話を切り出すも、名前を思い出せない。シェリーはケイトが言っているトミーとは二年前に別れたと告げ、今はミュージシャンをしているリーと付き合っていて、そのことを書いた手紙と彼のCDを送ったと言うが、ケイトは思い出せない。シェリーはケイトの付き人が忘れたのだと残念がる。送り先を覚えているかとケイトが尋ねると、シェリーは「あんたは毎日のように居場所が変わるからわからない」と言う。
 ケイトはCDを聴いてみたいと言うが、自主制作なので店にはないとシェリーは笑い、実はCDを送ってなかったと謝る。ケイトは気を取り直すように、お土産に用意していた高級な香水をシェリーに渡す。シェリーは喜んで受け取るが「企業からタダでもらった香水でしょ?」と言う。ケイトは申し訳なさそうに買い物に行けないので仕方がないと弁解。お金がない人間は高くて買えない物が、セレブはタダでもらえるなんて矛盾していると漏らすシェリー。
 ケイトの携帯電話に仕事の電話が入り、部屋に戻ることに。ケイトは一緒に来ないかとシェリーを誘うも、彼女は「インタビューを眺めていろと言うの?」と笑う。
ケイトが席を立ち「今度ルーに会わせてね」と去って行く。シェリーは「リーよ」とつぶやき、煙草を吸おうとすると「ここは禁煙」とウェイターに告げられ、彼女は煙草を引っ込める。

8話「ジャック、メグにテスラコイルを見せる」
 ジャック・ホワイトとメグ・ホワイトが煙草を吸いながらコーヒーを飲む。二人が座るテーブルの横には、共振変圧器『テスラコイル』。メグは沈黙を破り、ジャックにテスラコイルの話をしてほしいと切り出す。
 ジャックは、ニコラ・テスラが発明したコイルをベースに作られたものだと説明を始める。テスラに心酔しているジャックは、彼の理論に注目していれば今頃通信やエネルギーが全てタダだったはずだと語り、「テスラは地球を一つの共鳴伝導体と考えた」と力説。
 メグがコイルの実験を持ちかけ、二人はゴーグルを装着、実験を始める。ジャックがスイッチを入れると、テスラコイルは電気を放つも、やがて停止。ジャックは原因が分からないが、やがてメグが原因を突き止め、ジャックはさっそく自宅で解析するため店を出て行く。
 残ったメグは、スプーンでコーヒーカップを軽くたたき、響く音に耳をすませて「地球は一つの共鳴伝導体か」とつぶやく。

9話「いとこ同士?」
 ロサンゼルスのカフェで待機する俳優のアルフレッド・モリーナ。そこへ人気俳優のスティーヴ・クーガンがやってくる。
 ロサンゼルスに移住したアルフレッドは、この街を気に入っていると言うが、スティーヴは「ここは訪れるよりも去るのに向いている」と返す。
 アルフレッドはスティーヴが出演する番組の大ファンで、今日会えたことをうれしく思っていると言う。が、スティーヴはアルフレッドが何の作品に出ているか知らない。
 スティーヴは、何故自分を呼び出したのかとアルフレッドに尋ねる。アルフレッドは興味で調べたという家系図をスティーヴに見せ、実は自分たちがいとこ同士であると告げる。事態が呑み込めないスティーヴ。「スティーヴがいとこだと自慢できる」と喜ぶアルフレッド。アルフレッドはこの発見をもとに、本人が共演する映画を作りたいと語るが、スティーヴは気が乗らない。
 互いを知るために旅行に出かけようと提案するアルフレッド。間をおきスティーヴは「君はゲイなのか?」と聞く。アルフレッドは既婚者だがこの事実を認めて自分を「愛してほしい」と言う。逃げたいスティーヴは、アルフレッドに予定があると伝えてカフェを出ようとする。
 アルフレッドは携帯電話の番号を教えてほしいと頼むが、スティーヴが断ると自宅の電話番号を聞き出そうとする。スティーヴは自分のスペースを確保するために、電話番号は教えない主義だと言う。サム・メンデス監督にも教えなかったと付け加えると、アルフレッドは「それなら仕方ない」とあきらめる。
 アルフレッドの携帯が鳴る。相手はスパイクという名前の映画監督。アルフレッドは制作している映画の話を進めるために、日曜日に会う約束をする。電話が終わると、スティーヴは「相手はスパイク・リー?」と尋ねる。するとアルフレッドは「スパイク・ジョーンズ」だと答え、ハイキング仲間であると話す。
 スパイク・ジョーンズのファンであるスティーヴは驚き、手のひらを返すように電話番号教えない主義を撤回して「今教えたら失礼かな?」とアルフレッドに尋ねる。
しかし、すでに機嫌を損ねたアルフレッドは「そうだな」と答え席を立つ。「ドジった」悔しがるスティーブ。

10話「幻覚」
 ヒップホップアーティストのGZAとRZA。
カフェインは体に害だと考える二人は、紅茶を注文して乾杯。コーヒーポットを持ったウェイターがやってきても、二人はコーヒーを断る。するとウェイターは、ポットから直接コーヒーをがぶ飲み。なんとウェイターはビル・マーレイ。自分がここにいることを秘密にしておいてほしいと二人に頼む。逃亡中なのかと聞かれたマーレイは「そんなところだが、幻覚かもしれない」と答える。
 咳を止められないマーレイは、RZAにどうにかしてほしいと頼むと、水と消毒用の過酸化水素を5:5の割合で混ぜ、うがいをするように教えられる。RZAは絶対に飲まないように念押し、GZAはそれでダメなら食器用洗剤を使うように勧める。マーレイは二人に礼を言い、席を立つ。
 二人が会計をしようとすると、店の奥からマーレイのうがいの音。食器用洗剤でうがいをしているのかと驚いた二人は、慌てて店を出る。マーレイがうがいを終え、液体を飲み込んだ?

11話「シャンパン」
 ビルとテイラー。ビルがぼんやりのテイラーに「大丈夫か?」と声をかけると、彼は世界から置き去りにされたような気分だと言う。
 テイラーはマーラーの『私はこの世に忘れられ』という曲を知っているかとビルに聞く。美しくて物悲しい曲、耳に手を添えると聞こえてくると言う。ビルも聞き耳を立てる。どこかから美しい曲が聞こえてくる。やがて曲が聞こえなくなると、テイラーは「ここはどこだ?」と尋ねる。武器庫だとビルが答えると、テイラーは「重々しい響きだな」と笑みを浮かべる。
 ビルは「ニコラ・テスラは地球を一つの共鳴伝導体と考えた」と言う。意味がわからないテイラーは説明を求めるも答えはない。
 テイラーは、コーヒーをシャンパンに見立てて人生を祝おうと提案。「上流階級のように優雅にいこう」と言うと、ビルは「労働者階級のコーヒーが好きだ」と言い返すが、一口飲んでから「本当だ、まずい」と顔をしかめる。
「ムーラン・ルージュの1920年代のパリ」「1970年代後半のニューヨークの街」にコーヒーで乾杯する二人。「絶品」「シャンパンよ、神々の酒」と感想を言い合う。
 テイラーが「昼がコーヒーとタバコだけでは体に悪い」とぼやくが、「昼は食べた後で、ここには休憩に来ているだけ」とビルが言う。それを聞いたテイラーは「嘘だと言ってくれ、俺はひと眠りするから、休憩が終わったら起こしてくれ」とビルに頼み目を閉じる。
 ビルは残り時間はあと二分もないと言って何度か呼びかけるが、テイラーは目を閉じたまま動かない。
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