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コーヒー&シガレッツのTheCharacterのレビュー・感想・評価

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)
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いつだったか一度だけ、途中から観た本作を漸く今。"いとこ同士?"はとても印象に残っていた。どっちもどっち。

ジャームッシュはカウリスマキと交友があり、並べて語られることも多いらしいとのことで、何となーく比較してしまったり。インディな佇まいを崩さず、それでいて大いにポップでも有れるジャームッシュは単館系の斬り込み隊長のよう。語ってくれるジム、語らないアキといったところ?短編を並べた構成もビュッフェというか、適度なカロリーのフルコース的。胃に優しいけど色んな味が楽しめる。話題が謎に連環していくことに惹きつけられるのは何故なんだろう。フェティッシュ、伏線、天丼。ジャームッシュとお笑いにはどうにも共通項を見出してしまう。日常でスルーされているオモシロをピックアップする辺りは、やはり『ごっつ』だったりダウンタウン的感性と重なる。アキが全く『ごっつ』にならないのは、日常でスルーされている上にオモシロにもならない事柄を掬い上げる為ではないか。所謂"人(ニン)"が出てとても温い、ほのぼのが先に立つ感じ。でも考えてみれば稀に『ごっつ』かも。

『バグダッドカフェ』とか『24アワーパーティーピープル』観といてよかったな。でもアジア人への差別表現は駄目。あれさえ無ければな。基本すれ違ってばかり。お店で聞こえてきたら耳を澄ませてしまう会話。"いとこ同士"には色んな凄みが詰まってる。毒気、皮肉、黒さを原液で提供するジム、薄口のアキなのかなという気も。タイトルに反してコーヒーも煙草も全否定されたり、コーヒーを飲まなかったり、特殊効果を無駄遣いしたり、ニクいポイントがあったり、そうだ、こういう人だった。最初のふたりだけ謎すぎて笑う。

ルイルイ🎶
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