このレビューはネタバレを含みます
コーヒーとタバコのあるテーブル上で繰り広げられる、11のオムニバス。
なんとなく居心地が悪いような、ずっとみていたいような、絶妙な不調和が魅力の、不思議なテーブル。
-Somewhere in California
イギー・ポップに「お前の曲、ジュークボックスに入ってなかったぜ」と言われたトム・ウェイツが、イギーが帰ったあとで「あいつの曲も入ってねぇ」というのもクスッと笑える。
-RENEE
美女がカフェで1人タバコを片手に、コーヒーを飲みながら、雑誌を読んでいる。
ウェイトレスの間抜けなアプローチもさながら、美女の読んでいる雑誌がまさかの銃カタログで、ページがいちいち過激なのがツボ。
-COUSINS ?
アメリカ人俳優アルフレッド・モリーナが、イギリス人俳優スティーブ・クーガンを呼び、実は自分達はいとこだと打ち明けるものの、まともに話を聞かず、距離を置こうとするスティーブ。
ただし、アルフレッドが有名な映画監督と仲が良いとわかると、掌を返して歩み寄ろうとするいやらしさを皮肉に描く。
言葉運びがそれぞれ秀逸で、人間のおかしな部分の切り取り方の、センスが良い。
日本で言ったらお笑い番組のコント的な笑いが、白黒に市松模様でおしゃれな映画にした感じ。