この映画をおしゃれととらえるのも、退屈な会話劇ととらえるも自由だが、それは日本人だからそう考えるのであって当時の海外の人たちがこれを見てオシャレだなと感じるのかと思うと少し違うような気がする。
そもそもジム・ジャームッシュほどの人がそんなただ洒落た作品を撮ろうとするかと考えると実際のところそうではないとも思える。
ではなぜ、こんな作品にしようと思ったのか。なぜ、有名なアーティストたちを起用し、とりとめもない会話をさせたのか。
私にとってこの作品は、中身をじっくり検討するものでもただ流し見をするものでもない。
見ていて、タバコを吸いたくなったり、コーヒーを飲みたくなったり、友達とカフェに行きたくなったり…
「自分の時間を何に使うか」
ということを改めて考えさせられるのである。
これを見て時間の無駄だと思う人には一生わからなくて良い世界と意味がこの中にはある。だから、分かりたいと思う人だけが楽しめれば良いし、その世界について語り合おうと思うのです。そして、その時間を共有しようというのがこの作品を作る目的なのではないかと勝手ながら思いを馳せています。