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戦場にかける橋のcamusonのレビュー・感想・評価

戦場にかける橋(1957年製作の映画)
4.2
舞台は二次大戦中のタイのジャングルにある日本軍の捕虜収容所。
日本軍が連合国側の英国軍捕虜を動員して、
タイ-ビルマ間鉄道を突貫工事しようとするも、なかなか進まず四苦八苦。
英国将校が指揮を執るようになると、モチベーションも高まり着々と工事が進む
その一方で、連合国の別部隊による橋の爆破作戦も進められていた・・・
といったストーリーです。

苛酷な労働や飢えや病気や齋藤などの理由で、
捕虜が大量に死亡しているようなのですが、
そこら辺の描写は湿っぽくなく、ドライな感じです。

木製の橋が工事中に崩れるところで大笑いしてしまったのですが、
破壊がメインの他の戦争映画と違い、文字通り建設的な雰囲気があって、
緊張感があまりなく、楽しめるんですよね。

日本軍人は、橋の建造技術に乏しかったり、
プレゼントに釣られて便宜を図ったり、
マヌケな役回りなのですが、
それはそれで人間的な感じで描かれています。
日本人側が英語ができる者が多く、
コミュニケーションが可能というのが大きいんでしょうが。

捕虜収容所の所長は、
橋の建造を英国軍将校の指揮力に頼らざるを得ず、
任務遂行とメンツとの板ばさみになるのですが、、
表向きの威厳と、裏での葛藤を、役者がよく演じてると思いました。

終わり方も、ただの美談では終わらせず、
戦争のむなしさを感じさせ、複雑な後味を残すもので、
いい終わり方だなと思いました。
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