このレビューはネタバレを含みます
【鑑賞ルール】
◉吹替、できるだけ日本公開版吹替で。
◉体力と魂が削られるから一日一本。
ディーン・セキが亡くなった。
カンニング・モンキーを“ながら観”してた時にTwitterでその訃報を知りちょっと茫然としてしまった。
コメディに全振り。
見る人によっては悪ふざけの部類。
で、製作者ロー・ウェイ激おこ。ジャッキーと袂を別つことになる(次作「醒拳」製作中にジャッキーはドロン)。
興業的にも残念ながら失敗。
が、この悪ふざけこそ喜劇人ジャッキー・チェンが真に表現したかった事であり、映画人としての本質だったんだよね。
コメディ色強めであるけども、最弱でありクズ男の江(成龍)がなんやかんやあって義に目覚めていく割とまともな成長譚でとても観やすい。
師から直接教えを受けるのではなくカンフー秘伝書で学ぶカンニングスタイル。
酔えば、ならぬ読めば 読むほど強くなる。
ジャッキーは戦いながらもカンニングをやめない。読む。なので戦いながら強くなってく。
パイパンコブラにはそれがとてもカッコよく映ったんだよね。
お陰で少林寺拳法のハウツーを懐に忍ばせ通学するという奇行を数年続けたというどうでもいい話。
圧倒的に陽性な作品だけど、それを担うのがジャッキーとディーン・セキとの漫才に似た掛け合いである事は間違いないよ。
親友の様な兄弟の様な相方の様な師弟の様なその関係性。サモハンよりもユン・ピョウよりもクリス・タッカーよりもジャッキーの隣にいるのはディーンセキであるべきという証左。
日本公開時には例によってオリジナル主題歌が付けられたが、これがマジのガチで神曲でな。
子供心にゴダイゴっぽいーと思ってたらタケカワユキヒデ&ミッキー吉野が作っててそりゃあなぁとなった(全てのメディアで持ってる)。
拳シリーズリレーをやっていて、やっぱり今観るとしんどいって思ってしまう作品も多いけど、カンニングモンキーだけは別格。
ディーン・セキに最大限の敬意と感謝を捧げたいです。