初恋引きずりすぎ注意
新海誠監督による3話構成のオムニバス作品。全ての話に共通するのは「恋」という、なんて美しくて甘酸っぱいトピックなんだろう。と思って観ていた矢先、あまりにも異質すぎる描き方で物語を展開していたため、ある意味で吐きそうな気分にさせられました。劇薬すぎる…
アニメーションによる映像表現は相変わらずバケモノ級に美しく、1シーン1シーンが美術館に展示できるほどのクオリティ。「そりゃ新海誠ですから」の一言で済まされそうなので多くは語らず、そうさせていただきます。
問題の物語は、概ね飽きることなく(60分だから当たり前)最後まで楽しめたものの、よくよく考えてみると主人公の青臭さと初恋引きずりすぎ症候群が凄まじい勢いで右ストレートを放ってきた狂作でした。ですが決して「ダメ！」とは言えないのが本作。異常なまでのリアルさが脳に刺激を与えてきます。過去の自分と重なる瞬間があったので心を抉られました。誰か助けてください。
この内容でオムニバス形式にしたのは大正解。むしろ2時間構成でオムニバスではない通常の形として作られていたら駄作になっていたかもしれません。それほど各エピソードを独立させることで、それらが映える仕組みになっています。
遠野くんには運命の人は1人だけじゃないよ、と伝えてあげたいです。いつまでも引きずるなよ遠野！！
2024.4.9 初鑑賞
