朱音

秒速5センチメートルの朱音のレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
5.0
やっぱり新海監督の作品は空の表情が豊かでそれだけで泣けてくる。
13歳という幼さにどうしようも出来ない社会の壁。壁がなくなる頃には気持ちだけが残ってどうしようも出来ない。天気だって距離だって関係なく何処までも飛んでいける鳥の様にあの2人に翼があったらどんなによかっただろう。「あの頃」「あの時」そんな後悔ばかり抱えて逢えない人の影を追うことがどれほど辛いのは分からないけれど,「好き」と言う気持ち以上で繋がっている2人の関係は風に舞う桜の花びらの様に儚くて綺麗でとても美しかった。雪を見る度、桜を見る度に彼はそれらを通して彼女を見ていたんだなって。
そこまで人を大切に想えるなんて羨ましい。伝えたかった気持ち。手紙。メール。全てが渡せていたらまた違った関係があっただろうに。
でも,このままだから初恋は綺麗なままずーっと2人の心に残る。
朱音

朱音