けーはち

地獄のヒーローのけーはちのレビュー・感想・評価

地獄のヒーロー(1984年製作の映画)
3.2
チャック・ノリスの出世作。ベトナム抑留中の米軍捕虜を助けるという「ランボー2」と似たプロットだが、主人公は政府間交渉では埒があかんと勝手に判断し、単独でベトナム軍の将校の寝所に押し入って情報を奪い、船を用意してタイから迂回して収容施設を襲撃、とランボーよりも遥かに乱暴。クスクスと失笑混じりに見ていたが、公開当時「元軍人の父の涙する姿を初めて見た」などの感動証言がありドン引き。この映画で泣ける精神状態というのは相当どうかしているぞ。やはり戦争の傷は深い。アクションスリラーの出来はランボーの25%くらいのユルさだが、その代わり武器商人に銃を突きつけてケブラー繊維製の強襲揚陸艇も25%くらいに値切る、チャック全開のボンクラ暴力無双ぶりは80年代アメリカンアクションヒーローの最もプリミティブな味わいだと言えよう。