サド和尚

地獄のヒーローのサド和尚のレビュー・感想・評価

地獄のヒーロー(1984年製作の映画)
3.8
こちらは、キャノン・フィルムズ主催、伝説の男と行く、ヴェトナム→タイ→ヴェトナムを巡るMIA救出弾丸ツアーです。
えっ、何も用意していないですって?大丈夫!本作の誇るウルトラワンマンアーミー、ブラドック大佐がすべてご用意いたします。銃も爆弾も、ボートもヘリコプターも、全てお任せ下さい。しかも、現地破格から更なる驚きのディスカウントプライス!お財布にも優しいので、残りのお金でバンコクのナイトライフなどをご満喫下さい。
オプショナルツアーとして、サイゴン・スニーキングツアーもございます。軍の監視網をすり抜けて、どうも怪しいVIPの寝室にお邪魔してみませんか?スリリングなひとときの後には美女とのベッドタイムも…。

伝説の男チャック・ノリスさんとキャノン・フィルムズが組んだ記念碑的作品。ここからヒット街道爆進が始まるのです。
カラテはちょっと控え目で、ドンパチ成分多めですし、何しろ『ランボー2/怒りの脱出』との類似性も指摘され、公開当時から色々と批判が飛んでいましたが、MIA救出劇なんて更に過去にもチラホラあるのでまあ多少は。
アクション映画なのに宿敵格が中盤までには全滅し、後は名無しの敵だけになるのには最初こそ唖然としました。しかし、この映画の主題がリベンジではなく、あくまで救出にあるという事の表れなのでしょう。リベンジはもののついでで。

何にせよ、そりゃあもう沢山雑な所もある、決して名作とまでは言えない作品です。
しかし、若き日のジャン=クロード・ヴァン・ダムさん(ちゃんとヴァン・ダム名義)がスタントマンとして出ており、これをキッカケに伝説の男との交流が始まると思うと、実に感慨深い所があります。
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