ちゃんゆい

ラスト サムライのちゃんゆいのレビュー・感想・評価

ラスト サムライ(2003年製作の映画)
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ラストサムライ
2003/エドワード・ズウィック
侍の時代の終わり。
一つの偉大な時代の終わりに、敵兵士は攻撃の手を止め、全員が頭を垂れる。
彼らも元は侍の精神を持っていたのだ。

甲冑で身を包み馬に乗って走る最後の侍たちと、洋服に鉄砲、大砲を携え迎え撃つ近代国家軍の戦うシーンは異様だった。まさに一つの国の中で時代同士が戦っている。

欧米から輸入した付け焼き刃の武装で敵うはずのない、継ぎ足されてきた戦法と伝統の精神。
かつて日本に実在したその精神は、母国での戦いに疲弊した米国人将校の「殺しを恥じる心」まで揺さぶり、真っ直ぐな剣で貫く。

自分に厳しく、勤勉で、他者を敬う心があり、季節を慈しむサムライの姿は特異で高潔だ。しかし、その精神は武道の世界で未だ燃え続けているようにも思う。旅館や茶道でも同様だ。

小雪さんの多くを語らず黙って耐え、瞳では真心を語る姿は武士の娘そのものだった。
天皇は最後英語で喋る必要あったのか?そこだけは疑問。
音楽は『インターステラー』のハンスジマー。和の楽器を取り入れつつ時代のうねりを表現していて、日本にとどまらず普遍的な変化を語るような音楽だったと思う。