カタパルトスープレックス

ザ・シンガーのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

ザ・シンガー(1979年製作の映画)
3.5
超一流のB級監督のジョン・カーペンター監督が盟友であり超一流のA級俳優のカート・ラッセルと出会った作品です。アメリカでテレビ番組として放映されたものを、編集して劇場版として世界で公開されました。

この作品には良いところと、ダメなところが混在しています。何を重視するかで評価は変わってくるでしょうね。

😍この作品の良いところ
👍実際にあった出来事に忠実
わざわざ元妻のプリシラ・プレスリーにファクトチェックをしてもらっただけあって、実際にあったイベントをちゃんと描いています。もちろん、プリシラ・プレスリーに都合の良い脚色はあるのかもしれませんが。

例えば、最初に注目された曲がThat's All Right"だとか、Grand Ole Opryのオーディションで落ちたとか。軍隊時代の空手とか。『ボヘミアン・ラプソディ』のような映画のための脚色は基本的にありません。

👍カート・ラッセルの音楽パフォーマンスが良い
『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックもなかなか良かったですが(実はボクはそれほど評価していない)、カート・ラッセルのパフォーマンスもかなりのものです。後述しますが、口パクなんです。でも、あのダンスはカッコいい!

😭この作品のダメなところ
👎やっぱり口パクは燃えない
この作品を含めてエルビス映画の音楽はエルビスのモノマネで有名なロニー・マクドウェルによるものです。『エルヴィスとニクソン』もそうですし。でも、やっぱりボクは俳優はちゃんと演奏をしてほしいと思います。『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』でジョニー・キャッシュを演じたホアキン・フェニックスはちゃんと自分で歌っています。演者がちゃんと演奏するから『ブルース・ブラザース』も『ザ・コミットメンツ』も『ソラニン』も素晴らしいんです。

👎単純に長いしテンポも悪い
テレビシリーズを劇場用に編集したものですから、仕方がないのかもしれません。でも長いんだよなー。デビュー当時の頃までは良いのだけれど、プリシラと出会ってからが見せ場もなくて飽きてきます。