ナツミオ

巴里のアメリカ人のナツミオのレビュー・感想・評価

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)
4.8
DVD鑑賞
【父から貰ったDVD・その2】
〜水野晴郎のDVDで観る世界名作映画〜

アメリカン・ダンス・ミュージカルの代表作。
『雨に唄えば』(1952)を観た流れでこちらの超有名作を初鑑賞。
こちらも大好きな一作になりました。
(今頃ですが…)

受賞
第24回アカデミー賞9部門ノミネート
(監督・編集賞)
7部門受賞(作品・美術・撮影・衣装デザイン・作曲賞(ミュージカル)・脚本・名誉賞 (ジーン・ケリーに対して))
・ゴールデングローブ賞 3部門ノミネート
(監督・主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門))
作品賞 (ミュージカル・コメディ部門)受賞
・ナショナル・ボード・オブ・レビュー:Top Ten Films 1951
・全米脚本家組合賞 for Best Drama Written Directly for the Screen
・1993年:National Film Preservation Board

原題 『An American In Paris』

1951年米作品カラー114分
監督 ヴィンセント・ミネリ
製作 アーサー・フリード
脚本 アラン・ジェイ・ラーナー
作曲 ジョージ・ガーシュウィン
作詞 アイラ・ガーシュウィン
音楽監督 ジョニー・グリーン&ソウル・チャップリン
振付 ジーン・ケリー
画 ジーン・グラント
キャスト
ジーン・ケリー レスリー・キャロン オスカー・レヴァント ジョルジュ・ゲタリ 
ニナ・フォック The American In Paris Ballet

日本語字幕 菊地浩司

(Filmarksあらすじより加筆)
第二次世界大戦後のパリ。
米国人ジェリー(ケリー)は、退役後も祖国へ帰らずに、画家としての夢を実現させようとして、ピアニストのアダム(レヴァント)や歌手のアンリ(ゲタリ)たちとボヘミアンな暮らしを楽しんでいる。そんな彼の願いは自分の絵が認められることだ。
ある日、パトロンのミロ(フォック)と出掛けたキャバレーで巴里娘リーズ(キャロン)に一目惚れするが、彼女はアンリの婚約者だった……。

(DVD解説より)
MGM映画が、続々とミュージカルを作ってヒットさせていた時代。リーダーとなっていたのはフレッド・アステアとジーン・ケリーであった。アステアは円熟の芸を見せ、ケリーは若さいっぱいに新しい世界を次々と作り上げて行った。
そのジーン・ケリーの最高頂点が本作品である。特に世界に注目されたのはクライマックスの「パリのアメリカ人」バレエである。音楽はジョージ・ガーシュインの交響曲「パリのアメリカ人」。そして背景はフランスの有名画家と同じ形でケリーが踊るのである。共演は、この映画の為にフランスからスカウトされたバレリーナ、レスリー・キャロン。しかしバレエだけの映画ではない。ラブ・ロマンの入り組んだ物語の面白さ。そして美しい歌や踊りのシーンを重ねて、作品賞をはじめ数多くのアカデミー賞を獲った。正にハリウッドの誇りとなった大作。

当時のアメリカ人にとって、”憧れの地”
パリだったのだろう。パリを舞台にしたハリウッド作品が多いのも頷ける。

主演のジェリー役にジーン・ケリー。
歌や踊り、その中でもタップダンス、そして振付も担当し、アカデミー賞名誉賞受賞。
「俳優、歌手、監督、ダンサーとしての多芸さ、特に振り付けの芸での輝かしい功績」のためにを受けている。これは彼の唯一のオスカーとなった。(Wikipediaより)

またキャスティングに際しパリのバレエ団よりレスリー・キャロンを発掘し、相手役として会社に強く推した。
当時、それだけの発言力を持っていたそう⁈

そしてその相手役リーズには当時18歳のレスリー・キャロンが抜擢されデビュー作となり、スターの階段を昇り始める。
特に最初の6役を演じるダンスシーンは、清楚、知的、明るい、色気のある、それぞれの美しさを表現しバレエで鍛えたダンス、手足のしなやかな動きが美しくて見惚れる〜🎵
 ・美人じゃないがチャーミング
 ・活発で楽しい子
 ・優しくて慎み深い
 ・現代的な娘
 ・常に読書している
 ・世界一陽気な子

対して、ジュリーのパトロン、ミロ役ニナ・フォックの妖艶な美しさ。
アメリカ人役だが、ヨーロッパの香りはオランダ出身だから⁇

そして、人気歌手役アンリ役にフランス人歌手ジョルジュ・ゲタリー、ピアニストのアダム役に本物のピアニストでもあるオスカー・レヴァント。
全編作曲を担当したガーシュインの実際の親友らしい♪♪

監督は「若草の頃」「花嫁の父」の巨匠ヴィンセント・ミネリ。

そして、音楽はあのジョージ・ガーシュウィン‼️‼️
 ”ラプソディ・イン・ブルー“♪♪♪
 
 は超有名曲‼️
 劇中には出てきませんが…
 全編、彼の作曲、作詞は兄のアイラ。
 
そんな奇跡の様なコラボレーションを堪能させてくれる名作‼️‼️


↓ 以下ネタバレ含む

【印象のシーン】
・モノクロのオープニング・クレジット。
少し右上に傾いた画面がオシャレ

モノクロ作品と思いきや…
クレジットの左上のリボンには色が付いている、洒落ている〜

そして本編はテクニカラー。

・オープニングのジェリー(ケリー)の紹介から部屋の狭さを効率的に使うコメディ描写。テキパキと踊りながら片付けるジェリーにもう眼が釘付け👀♪♪♪

・ピアノの上でタップダンス

リズに一目惚れして浮かれまくるジェリーがアダムの部屋に乱入⁈
作曲中に邪魔者に乱入され不機嫌に歌うアダムと、上機嫌のジェリーの対比が楽しい。
歌のデュエットからジェリーのソロダンスに移り、ピアノ上でのタップダンスや、狭い部屋で踊りまくるところが面白い。

歌うのは「Tra-la-la」。

・セーヌ河畔で、ジェリーがリズに向かって愛の予感を語る。
「…でも僕らの愛は消えない…」
 と歌い出す。

 「Love Is Here To Stay」

恋する2人の気持ちがダンスと歌に込められた熱いシーン。
2回観てしまった〜

・アダム(レヴァント)の夢想シーン
ピアノ協奏曲「ヘ調の協奏曲」(Concerto in F)を演奏。

オーケストラを従えてピアノ演奏するアダム。気がつくと、ピアノだけではなく指揮者、パーカッション、観客全てがアダムに⁇

これはレヴァントのアイディアだそう⁈

ガーシュインの実際の親友でもあるレヴァントは、このシーンでどの曲を使うか日によって気分が変わってなかなか決まらなかったそう。気難しい芸術家の一面も…。

・カフェでの3人の会話
 “リズ”の名前を聞いてコーヒーを吹き出すシーンはコントを観ているよう⁈

そしてアンリも合流。
2人の好きな相手を知るアダムの行動がメチャ変で笑ける楽しいシーン。

 ”彼女は僕に首ったけ“

パリの街並み、壁のポスターの色彩、それを背景に踊るケリーと

・別れの時…

・美術学校の大晦日パーティ

 “そばにいても…
  抱きしめて貰えないなんて…”

 ”君はいつまでも僕の胸に…”

・別れた後のパーティ後の侘しさ

 破った絵が風のイタズラで元に戻る…

・最後の夢想シーン🎵
 背景の絵の前でパリの人々と踊るシーン♪♪♪
約20分近くある、「パリのアメリカ人バレエ」シーンはクライマックスの見どころ。

このシーンの背景は、著名な画家たちへのオマージュでパリの街角は地域ごとに、画家のスタイルでセットが設計され約1ヶ月の撮影に54万ドルもの費用が注ぎ込まれたそう⁈

コンコルド広場 = デュフィ
ポンヌフ = ルノアール
モンマルトル = ユトリロ
動物園 = ルソー
オペラ座前 = ゴッホ 黄色の世界‼️
ムーラン・ルージュ = ロートレック

 ララランドの終盤のアナザーストーリーのシーンは、この場面のオマージュっぽい⁈

歌って踊って2人の愛の行方に胸が熱くなる、超超名作‼️‼️



【忘備録】ネタバレ含む
(キャスト)
・ジェリー Jerry_Mulligan
ジーン・ケリー

・リズ Lise_Bourvier
レスリー・キャロン

・アダム Adam_Cook
オスカー・レヴァント

・アンリ Henri_Baurel
ジョルジュ・ゲタリ

・ミロ Milo_Roberts
ニナ・フォック

・Georges_Mattieu
ユージン・ボーデン

・Mathilde_Mattieu
マーサ・バーマトレ

・Old_Woman_Dancer
メアリー・ヤング

・ダンサー
The American In Paris Ballet



【音楽】Wikipediaより
映画で使われる音楽はすべてジョージ・ガーシュウィンの作曲、その兄アイラ・ガーシュウィンの作詞によるもの。

「アイ・ガット・リズム」
「ス・ワンダフル」
「わが愛はここに」
(以上ジェリーの歌とダンス)

「天国への階段 (ガーシュウィン)」
(アンリのソロ)

・ピアノ協奏曲「ヘ調の協奏曲」(Concerto in F)
アダムの夢想シーン

「パリのアメリカ人」
クライマックスの、ケリーとキャロンが楽曲をバックに踊る。約20分間のダンスシーン。
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