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バットマン ビギンズのNMのネタバレレビュー・内容・結末

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

バットマンとなる前の男の生い立ちと、なった後のもろもろが描かれる。
男が闇落ちするのかしないのか、もうしているのか、などの心の揺らぎが見どころに思った。
最後の方は痛快なシーンが多かったが、伏線回収のようなやり取りもあるので、冒頭からちゃんとセリフを聞いて覚えておいたほうが良さそう。
字幕で観たが、吹き替えのほうが観やすいのかもしれない。


父であるウェインは大富豪で正義感が強く博愛精神の持ち主。
会社経営は他人に任せ、自身は病院事業に専念。
貧富の差が激しい地区である「ゴッサムシティ」への莫大な寄付をした。

ある日家族で出かけた帰り、妻とともに強盗に撃たれて死んでしまう。
幼い一人息子ブルースは突然孤独に。
家族を死なせたのは自分だという罪悪感を持ち、悪に対する復讐心を募らせた。

成人したブルースは、その強盗の裁判で彼を射殺する覚悟があったが、直前で別の男に殺された。
検事を目指す友人レイチェルは彼の復讐に取り憑かれた態度を見透かして叱ってくれたが、ブルースの耳には届かなかった。

さらにその裁判の判事を買収していたマフィアのボス・ファルコーニに、お前はしょせん王子様であり世界を知らないと馬鹿にされ、父の死まで侮辱された。
腹が決まったブルースは窃盗など次々と犯罪に手を染め、体も鍛えた。

やがて中国で収監。
トラブルを起こし独房にいると、ある男の代理人であるデュカードが訪ねてきて、正義を執行できる力が欲しければヒマラヤ山頂まで来いと言われた。
やっとのことでたどり着くと、ラーズというボスのもとに集う同盟が待っており、ブルース鍛錬の毎日が始まった。
その後、改めて覚悟を問われる。
俺は自分の正義を行いたいのか、それとも彼らの同盟に加わり処刑人になるのか。
さすがに人殺しになりたいわけではないブルースは戦闘ののちそこを去る。

そして執事アルフレッドの待つ飛行機へ乗り込んだ。
父を尊敬し仕えていたアルフレッドはブルースにも真摯に仕え、今では強力な右腕であり父替わりのような存在。
父の会社も(ブルースが幼かったため)法的には一旦アルフレッドに譲渡されており、ブルースの行方も隠してくれたので自由に行動できていた。

ブルースは子どもの頃、領地内の井戸に落ち中にいたコウモリに襲われた経験をトラウマとして抱えていた。
コウモリは彼にとって恐怖の象徴。
自宅へ戻るとその時の経験を思い出し、その井戸を探して降りてみると広い洞窟が拡がっていた。
ブルースはコウモリの群れに体を委ね、恐怖だけではない何かを得た。

会社へ戻るブルース。
父のいなくなった後、ウェイン社はアールが幅を利かせた。
父の側近だった応用科学部に配属を希望。そこでは幹部フォックスがたった一人窓際に追いやられていた。
しかし高度な兵器の開発に成功しており、ブルースへの協力も惜しまない様子。
彼の技術を借りアルフレッドも手伝いながら、特殊ツールやパワースーツの製作が始まる。
自室に隠し扉を作り地下基地を作った。

ブルースは多額の金を使いいつも不在なので、周りに勘繰られないよう、人前でわざと豪遊し遊び人のふりをした。
そこへ現れたかつての想い人レイチェル。
検事補として悪を追う彼女はそんな男など一番軽蔑するタイプ。
ブルースの変わらぬ想いなど知る由もない。

ファルコーニはというと、マフィアと結託し嘘の精神鑑定で犯罪の片棒を担いでいる精神科医クレインに追い込まれたのち、起訴を目の前にして精神病棟送りにされた。
クレイン医師は有害な薬品をためらいなく使ったり恐怖体験で精神破壊したりする恐ろしい男。毒薬をゴッサムシティの水道管に流す計画まで進行中。
彼の精神鑑定を疑うレイチェルは度々追求してきた。
するとついに彼にアジトに連れ込まれ薬を撃たれてしまう。
そこへバットマンが現れ、クレインに彼の薬を浴びせてやったが、誰が毒薬計画の黒幕かまでは吐かなかった。彼も精神病棟へ収容。

警察はバットマンを治安を乱す自警男として追っており、レイチェルを助けるためやむなくカーチェイスとなりテレビニュースにも中継された。
アルフレッドはついに、お父様と違い人助けではなく自己満足だ、とたしなめる。アルフレッドは父の名を汚すことにまでは賛成しないし、ブルースを心配して叱ってくれている。
ちなみにレイチェルは解毒成功。

その日は自宅での誕生日パーティー。
影同盟のボス、アールがやってきたが、正体は代理人だと名乗ったデュカード本人。黒幕は彼だったのだ。
影同盟は古来から文化が腐敗するとそれを災害に見せかけ滅ぼしてきたという。
そしてゴッサム・シティはもう救いようがないので滅ぼすと。
素早く客たちを帰すブルース。
アールはブルースをすっかり見込んでおり、ゴッサム殲滅作戦を目の前にして最終スカウトに来たようだ。
お前らにゴッサムは渡さないと断ると態度を変え、屋敷に放火されてしまったが、今朝喧嘩したアルフレッドが身を挺して救助、二人で地下基地に逃げ込んで助かった。
豪邸は全焼。ブルースはショックを受けるがアルフレッドはそれだけがお父様の遺産ではないと励ます。立ち上がるブルース。

影同盟はついに毒薬散布を開始。市民たちも警察も幻覚が見えて正常な判断ができない。
だが市警のゴードンだけはブルースに見込まれ解毒剤を持っており無事。
現場でいま頼りになるのは彼と、同じく解毒したことのあるバットマンとレイチェル。

バットマンとデュカート、いよいよ最終決戦。父が寄付したモノレールの車内で激しくぶつかり合う。
そうこうする間にもどんどん水道管の水圧はあがり、タイムリミットが迫る。

バットマンと、隠れたヒーローである市警ゴードンにより街は救われた。
騒ぎは終わり。
そして、ウェイン社も救われた。悪の幹部も無事クビに。
全焼した屋敷跡地で、地下基地を補強して屋敷を再建しようと話した。

市警ゴードンは警部補に昇格したらしい。汚職幹部は去ったようだが、まだ生き残っている悪もいると語る。
そしてそのヒントをバットマンに伝える。バットマンはどこかへ飛びったって行った。
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