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バットマン ビギンズのなおのレビュー・感想・評価

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)
4.2
前作の悲劇から8年。
Mr.フリーズが我々に与えた衝撃により長い間凍結されていたバットマン映画化計画が、クリストファー・ノーラン監督の手腕で蘇った。
俗にいう「ダークナイト・トリロジー」の幕開けである。

ブルース・ウェインを演じるのはクリスチャン・ベール。
ちなみに本作撮影時、彼は『マシニスト』の撮影で非常に痩せていたため、体重を元に戻すため高カロリーなものを食べまくったらしいが逆に太りすぎ、バットスーツが入らなくなったという。

✏️恐怖を知り、己と戦え
さすがノーラン監督!リブート大成功!な映画。

本作は幼少期のブルースが味わった「恐怖」そして「悲劇」から始まり、なぜ彼がゴッサムシティの平和を守るスーパーヒーロー・バットマンとなったのかをしっかりと、骨太に描いている。

ゆえに我々がよく知るバットマンがきちんと画面上に姿を現すまで作品の半分、つまり1時間弱の時間を要するわけだが、いわばその「バットマン前日譚」が大変テンポ良く描かれているため、長さを全く感じさせない。
むしろ、この前日譚なくして本作ひいてはバットマンという存在を語ることはできないだろう。

バットマンが君臨する以前のゴッサムシティは、汚職警官・悪徳法律家・私欲を満たす道具として会社を利用する経営者など、どうしようもないヤツがはびこる「悪の街」。

メインヴィランに<ヘンリー・デュカード / ラーズ・アル・グール>と<ジョナサン・クレイン / スケアクロウ>という救いようのない悪党を据えることで、物語の転換が2段、3段構えで押し寄せるため非常にスリリング。

アクション・シークエンスも申し分なし。
ちなみにバットマンの格闘シーンには、「Defence Lab(ディフェンスラボ)」という新興武術が採用されているらしい。

ブルースの戦いを影からサポートするアルフレッドとのやり取り始め、違和感のないウィットなジョークも多彩で笑いどころもバッチリ。

☑️まとめ
「人はなぜ落ちるか 這い上がるためさ」
前作の影響で地に落ちていたバットマン映画の評判を見事汚名返上。
取り立てて責めるところが見当たらない、完成度の高いバットマン映画作品。

しいて言えば、前半の修行シーンで忍者を出す必要性があったのかな…?という点くらいか。
でも「ニンジャバットマン」という外伝的作品もあるわけだし、バットマンと忍者って何かしらの関連性があるのかしら。

あとどうでもいいけど、ちゃんとした装備ができるまではマスクの代わりに目出し帽を使うのはヒーローあるあるなんですかねぇ…
(トビー・マグワイア版「スパイダーマン」とか)

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★★
🏃‍♂️テンポ:★★★★★

🎬2023年鑑賞数:28(8)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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