キリアン・マーフィーの配役がピッタリって感じなんだけど、スケアクロウが市民に見せる幻覚がレイティング的配慮なのか一つも怖くなくて萎え萎え。ああいったヴィジョンこそ振り切ってもらいたい。
あとはケイティ・ホームズが可愛いから良し。
小学生の頃に初めて観た時から「おいら子どもたちのために作られてねえ……」「大真面目にやればいいってもんじゃない気がする……」と疑問に思っていたが、幼稚園児の頃からバートン版とシュマッカー版を何度も見過ぎていたので、懐疑的な思い込みがあったのだろう。と思って数年前に見返したら、シリアスぶってるけど実は可愛らしい映画だと感じた(後にノーランの作家性というものを受け入れられたから)。
当時、蓮實重彦がクライマックスの暴走列車シークエンスについて「列車が移動しているのに窓の外を撮れていない」みたいな批判をしてて、何言ってんだと思いつつ見返したら、こういう時はちゃんと窓の外を撮った方がいいと感じた……。
