たけちゃん

バットマン ビギンズのたけちゃんのレビュー・感想・評価

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)
4.5
人は何故落ちるのか?這い上がることを学ぶためさ。


クリストファー・ノーラン監督 2005年製作
主演クリスチャン・ベール


シリーズ「映画で振り返る平成時代」
今回は平成17年(2005)です。

この年は、僕にとって、大きな転機となった年でした。
父の七回忌を終えて、ほっとしたのも束の間、今度は母に癌が見つかりました。僕とは違って辛抱強い人でしたので、調子が悪くても伝えてくれませんでした。おかしいと思って、異変に気づいて病院に連れていったら、その日にすぐ入院と言われ、そこからわずか3ヶ月でこの世を去りました。
これはさすがに堪えました……(> <。)

この年、長男も小学校に入学で、母は近くに住んでいたので、よく行き来していましたし、妻や子供たちも大好きでしたから、そのショックが大きくて。家族みんなが不安定になりました。

僕は塾講師でしたから、夜の帰宅が遅いんですが、帰宅すると思い出して泣いてたりするんです。
これは家族の傍にいてあげないといけないと痛感し、意を決して仕事を辞めることにしました。
退職金と母が遺してくれたお金で半年ほど無職でしたよ。その間にこれまで出来なかったこと、旅行とか楽しいことを家族でたくさんしました。
そんなこともあり、僕は仕事人間だった自分を変えて、朝出かけたら夕飯までには帰宅でき、土日も休める現在の仕事についたんです。
家族のためとか言いながら、おかげで映画を観に行けるようにもなりましたけど( ¯−¯ )フッ
あと4日後、5月5日の子供の日が母の命日です。




さて、映画です。
そんな平成17年の作品は、日本では「ハウルと動く城」が大ヒット。
海外は「ハリー・ポッター炎のゴブレット」
「スター・ウォーズ シスの復讐」
「ナルニア国物語 ライオンと魔女」
「宇宙戦争」
「チャーリーとチョコレート工場」
など、ほとんどがレビュー済の大好きな作品ばかり。どれをレビューしても良いくらいだね。

そんな僕が今回選んだのは「バットマン・ビギンズ」です。なんか、もう、満を持してという感じですけどね。今までレビューしていなかったのが不思議。



平成17年は僕にとっての転機と書きましたが、アメコミ映画にとっての転機でもありました。
今作はかなりエポックメイキングな作品です。
いわゆる"ビギンズ"ものやリブート(再起動)作品の流行は、この作品が始まりですからね。

アメコミ映画はコミック原作ですから、ここまではどちらかと言うと子供っぽくて、荒唐無稽な作品がほとんどでした。僕にはそれが良かったんですが……。
娯楽アメコミ映画のひとつの完成形がサム・ライミ版の「スパイダーマン」でしょうね。

それが今作の登場で一変します。
いわゆるダーク・シリアス路線というやつです。
この作風がヒットしたことで、DCはダーク・シリアス路線の呪縛に囚われてしまいますね。
後にMCUによってひっくり返されるのですが、DCは「アクアマン」まで、ここから抜けられずに苦労します。



実は、公開前は「バットマン」の新作と言われても、そんなに好意的ではなかったです。そもそも、僕はティム・バートン版の「バットマン」が大好きでしたし、今さら新作?って思いましたよ。


また、最初に観た印象もあまりピンと来なかったというのが正直な気持ちですね。そもそも、敵のラーズ・アル・グールって、当時は知らなかったし。影の同盟(League of Shadows)とか、設定が分からないので、それもあって最初観た時はピンと来なかったんですよね。ノーランはわざとにこれまで使われてこなかったヴィランを用いたようですが……。
ただ、バットマンは大好きだったから、こういうのもありかな?くらいの感想でした。だから、当時はストーリーよりもギミックに感動してたかも。

なので、今作が再評価されるのは「ダークナイト」が出てからだと思うんですが、どうでしょう?少なくとも僕はそうでした。


今回、観直すと、めちゃめちゃ面白かった。
今は「ARROW」を見たから、ラーズ・アル・グールにも詳しいしね(笑)。あの忍者のような黒い戦闘服を見ると、おぉリーグ・オブ・アサシンだ!って思うよねぇ(ˆωˆ )フフフ…

監督は大好きクリストファー・ノーラン。
当時は「メメント」の監督として知っていましたが、「バットマン」を撮るとは思いもしなかった。

それにしても、ノーランは凄いなぁ。
バットマンを撮るのは乗り気ではなく、原作を好きでもなかったと言いながら、改めて観ると、今作ってアメコミの面白さにも溢れてるよね。
特に、ブルースが少しずつバットマンの装備を仕上げていくところとか大好きなんだよねぇ。これって「アイアンマン」の1作目で、トニーがアイアンマンの試作を重ねながら完成させていくのと同じ感覚なんだよね。ワクワクが止まらない。



そして、バットマンの登場シーン🦇
これはアメコミのカタルシスに溢れている。
特に摩天楼の上に立つシーンは美しい!

あと、バットケイブも素晴らしいよね。
秘密基地って、男の子の夢でしょ?
子供の頃、基地作りしましたよね~(笑)

さらにバットモービルね。
バットモービルがどんないきさつで作られたのかが描かれているのも良かったです。あのタンブラー、めっちゃカッコよくて( ˘ ˘ )ウンウン


音楽にもこだわりがいっぱい。
僕はクラシックは門外漢なので、自分で気づいたわけではないけど、なんでも、今作で使われている曲は、全てコウモリに関係していて、サントラ盤の4曲目「Barbastella」から9曲目の「Nycteris」までの頭文字を並べると「BATMAN」になるらしい。こういうの好き( ˘ ˘ )ウンウン

コウモリ🦇は子供時代のトラウマね。
両親と見たオペラは「メフィストフェレ」。
ゲーテの「ファウスト」を原作としたオペラです。
"Folletto!…Folletto!"はコウモリの扮装をしたキャストが歌う場面ですが、これがブルースのトラウマを呼び起こすんですね。この辺も良い。


今回、新たなバットマンとして選ばれたのはクリスチャン・ベール。僕は今作までほとんど知らない俳優でした。スピちゃんの「太陽の帝国」に出ていたらしいけど、それも今作の後で知りましたよ( ¯−¯ )フッ


ヘンリー・デュカードを演じるリーアム・ニーソン。実はこの人が黒幕のヴィランでしたね。そもそもラーズ・アル・グールを知っていれば、良い人だなんて思うはずもないんだけど。
リーアム・ニーソンは大好きでしたね。何と言ってもクワイ=ガン・ジンだし、「シンドラーのリスト」でも知られていましたからね。


渡辺謙さんが演じるのがラーズ・アル・グール。
「ラスト・サムライ」以降、海外進出して評価もうなぎ登り。今やKen Watanabeです( ˘ ˘ )ウンウン
楽しみだよ~「GODZILLA」


マイケル・ケインは執事のアルフレッド。
本当に素晴らしいアルフレッドですよね。
ブルースがきちんと生きてこられたのはアルフレッドのおかげですから( ˘ ˘ )ウンウン
歴代アルフレッドは、皮肉屋の好々爺がマイケル・ガフ、影に日向にブルースを支えるThe執事のマイケル・ケイン、まるでサイドキックと言うべき相棒ジェレミー・アイアンズといった印象ですが、みなさん好演されていましたね。


モーガン・フリーマンが演じたルーシャス・フォックスは、かなり好きなキャストでした。今作に新たに出てきた人物で、一番の好漢でしたよね。やっぱりモーガン・フリーマンが素晴らしいからかな。説得力抜群!


ジェームズ・ゴードン役はゲイリー・オールドマン。
ゴッサムの良心とまで呼ばれるジェームズ・ゴードン。最近はJ.K.シモンズが演じていますが、僕はゲイリー・オールドマンのゴードン巡査部長が好きでしたね。特に、今作では大活躍しますから( ˘ ˘ )ウンウン


スケアクロウ役で登場するのはキリアン・マーフィです。「28日後…」を観ていないんで、僕はこの映画で初めてキリアンを見たんですよね。でも、好きになったのは「ダンケルク」から( ¯−¯ )フッ
今作も好かれるキャラではなかったもんね。



などなど、キャストも一流。
見どころいっぱい!
やっぱりこのシリーズ、最高ですね( •̀ω•́ )و✧