たつなみ

ドキュメント 太陽の牙ダグラムのたつなみのレビュー・感想・評価

2.0
ここの所映画を観るペースがめっきり落ちてしまったのですが、その原因は間違いなくこの『太陽の牙 ダグラム』にハマってしまったからです。

このダグラムというアニメ。
若い方はご存知無い方も多いと思いますが、善も悪も無い複雑な社会構造や、重厚な人間ドラマが描かれていて、とにかく見応え十分な傑作です。
監督、脚本を務めた高橋良輔監督は本作の後、更に名作『装甲騎兵ボトムズ』を製作されています。

主人公のメカ(コンバットアーマーと言います)にガンダムの様な顔がなく、微妙にダサいデザインである所も、この作品が単なるロボットを前面に出したアニメでは無い事を物語っていると思います。

当時のアニメブームにも乗っかり、何と本作は75話も制作されました。
私が小学生の頃にテレビ放映されていたんですが、内容がサッパリ分からないまま、ひたすらプラモを買っていた記憶があります。

物語は『父と子』というテーマを中心に据えつつ、人間の欲望や裏切り、愛や友情、絆…なと、正に『人間そのもの』がリアルに描かれています。
『太陽の牙』というのは主人公達の所属するゲリラ舞台の名前なのですが、彼らがとにかく魅力的に描かれていて、全話観終わった頃には彼らと一緒に長い旅をして来たような親近感を覚えます。

前置きが長くなってしまいましたが、本作はそんな大河ドラマの様なTVシリーズを僅か1時間半程で描いた劇場版です。
(当時は富野由悠季監督の『戦闘メカ ザブングル』と同時上映でした)

出来は…というと、とにかく大胆な編集に次ぐ編集の嵐で、初見の方には何の心にも響かない作品と言わざるを得ません。
なので本作よりも圧倒的にTVシリーズの視聴をお勧めします。
(映画としてはこのスコアですが、TVシリーズは5点満点を付けさせせて頂きます)

何と今年がアニメ放映から40周年なんだとか。
未見の方はこの機会に是非!
私はダグラム熱をこじらせてしまい、久しぶりにプラモ購入を決意しました…。